巨人の清武英利球団代表が11日の記者会見で発表した声明の要旨は次の通り。
一、11月9日に読売新聞の主筆で巨人の取締役会長の渡辺恒雄氏からヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させると言われた。
一、桃井恒和オーナー兼代表取締役社長とともに10月20日に渡辺氏を訪ね、来季のコーチ人事の了承を得ていたが、渡辺氏は11月4日夜、記者団に報告を聞いていないと事実に反する発言をした。自分が了承したことを全く忘れているならば、渡辺氏は任に堪えないということになりかねない。忘れていないとすれば、オーナー兼代表取締役社長を飛び越えて、鶴の一声で覆したことになる。
一、プロ野球界におけるオーナーやゼネラルマネジャー(GM)制度をないがしろにし、コーチや彼らの指導を受ける選手、ひいてはファンをも裏切る暴挙ではないか。
一、巨人も読売新聞グループの一員だが、子会社といえども独立した会社であり、事実に反する発言を記者団にするのは経営者として許されない。
一、11月7日に渡辺会長から桃井オーナーのオーナー職を外すと内示された。巨人の代表取締役でもない取締役会長である渡辺氏が一存で代表取締役社長である桃井氏のオーナー職をはく奪するのは、コンプライアンスに大きく反する行為。
一、野球は国民的スポーツ。巨人は歴史のある球団であり、責任が重い。内部統制と健全な企業体質が要求される。それを渡辺氏のような最高権力者が破るのは、断じてあってはならない。
一、不当な鶴の一声で、プロ野球を私物化するような行為を許すことはできない。
(情報提供:共同通信社)