【トルコ地震】
震源地に近いワン、多数生き埋め 飛行場閉鎖
「日本人観光客は少ない」
瓦礫と化した建物の前で泣き叫ぶ少女(ロイター)
トルコ東部を襲った地震に、震源地に近いワン市では7階建てのビルが崩落したのをはじめ、建物10棟が倒壊した。現地メディアによると、最も被害が大きいとみられるエルジュジュではアパート25棟と寄宿舎1棟が倒壊する被害が出ている。
政府高官は、倒壊した建物は計45棟に上ると述べており、他の地域の詳しい状況は分かっていない。エルドアン首相も被災地に向かうという。
AP通信によると、エルジシュの当局者はテレビに「多くの建物が倒壊し、多数の死傷者が出た。緊急に支援が必要だ」と語った。
現地の報道によると、多数の人が生き埋めになっており、救助隊ががれきのしたから救出作業を行っている。
トルコ中部カッパドキア地方在住のトルコ人男性(39)によると、ワンの空港は地震の影響で発着ができなくなっており、北部のエルズルムという都市の空港に緊急着陸しているという。また、地元テレビは倒壊した寄宿舎で捜索活動が行われている様子が放送されているという。
ワンにはトルコ最大の湖「ワン湖」や古代遺跡があるが、イスタンブールからバスで15~16時間かかる。トルコで通訳をしている野中幾美さん(48)は「現地は最近、クルド人ゲリラの活動が活発化しており、観光客は日本人を含めてあまり行かない」と話している。
阿部勝征・地震調査委員会委員長の話 トルコには東西を走る北アナトリア断層があり、日本と同様に、内陸で地震が起こりやすいという特徴がある。過去の地震でも、れんがや石積みなど耐震性に欠ける建物が多く、被害も大きかった。