統合の現状と課題 5。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





4 終りに


草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員奮励努力セヨ。 





 今次大震災における統合運用は云わば、災害派遣の場であり、複合的・重層的な防衛事態ではなかったとは云え、多くの教訓を得ることが出来た。また、自衛隊が営々として育ててきた人材が、それぞれの司、司において統合の本義を充分に理解した積極的な活動を行い、今までの教育訓練の正当性を立証したと云えよう。

 

 今回は、統幕長以下に適材を得たことが功を奏したと云えよう。斯様に、統合においては確かに人を得ることも重要であるが、システムとしてそれが有効に機能するように整備することも重要であり、今後の更なる検討を期待したい。然しながら、武力組織を運用するのは政治であり、政治がその本来の役割を十分に果たしてこそ国家防衛をまっとう出来るものである。そういう意味における統幕の政治補佐機能の強化と政府と一体となった防衛作戦に係る訓練等を行うことが今後必要になろう。