【皇室ウイークリー】(199) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






愛子さま「お付き添いなし」続かず。 

1年で最初に皇族が爪を切る日は?



 学習院初等科に通う皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは9月27日、ご夫妻のお付き添いなしで、登下校された。通学への不安を抱える愛子さまが通常の授業の日にお付き添いなしで登下校されたのは、昨年2月下旬以来、1年7カ月ぶり。しかし翌日以降は、風邪のため欠席されたり、途中から皇太子妃雅子さまが付き添われたりする日があった。

 

 宮内庁の小町恭士東宮大夫は30日の定例記者会見で、27日に一人で登校された背景について言及。愛子さまが山中湖での校外学習に楽しく参加できたことが「宮さまの自信につながり、プラスの一歩になられたものと思います」とし、いい形で校外学習に参加できたことが「お付き添いなし」につながったのかもしれないという見解を示した。

 

 その一方で、今後の通学については「ずっとこのまま(お一人で)いくには、まだ早い」「様子を見守る必要がある」と指摘。「まだ10歳にも満たない一人のお子さまの問題」であり、通学問題がたびたび報道で取り上げられることが、病気療養中の雅子さまの心労になっているとして「今こそ静かな環境でのご通学の確保が非常に重要」だと改めて強調した。

また、先週の定例会見で、愛子さまの通学問題について国民が心配しているという記者会の指摘を受け「国民に心配を頂いていることについては両殿下も大変有り難く思われております」と回答した。山中湖の校外学習に雅子さまが付き添われた理由についても「宮さまからお付き添いがあればいらっしゃりたいというお気持ちがそもそもございまして」と、愛子さまのご要望だったことが明らかにされた。

 


 天皇、皇后両陛下は27日、千葉県東金市のモーター部品製造会社「協和工業」の事業所を視察された。

 

 同社は、東日本大震災で被災し、避難のため従業員がバラバラになった福島県南相馬市の「ワインデング福島」に事業所内のスペースを提供。ワ社は間借りする形で事業所を設け、操業を再開した。現在東金で従業員12人が働いている。

 

 両陛下は工場を回り、視界に入るすべての従業員に声をかけられた。予定していたわけではないためご視察の時間がオーバーし、同行する関係者が時間を気にする場面もあった。両陛下は視察先で常にさまざまな人と話をしようとされており、実は、担当記者がこうした光景を見ることは珍しくない。

 

 陛下は家族と離れて暮らす男性を「さびしいですね」と気遣われた。放射能の問題に触れ、「たいへんですね。土壌も厳しいようですね」とのご発言もあった。家族を亡くした男性は、話しながら陛下の前で涙ぐんだ。

 

 ワ社の清信正幸工場長は福島で馬を飼育しており、南相馬の「相馬野馬追(のまおい)」の関連行事が、平成11年に福島県で開かれた「全国豊かな海づくり大会」で披露された際に出場したという。当時演技をご覧になった皇后さまはそれを聞き、「あのときに…」と驚かれた様子だった。

両陛下は30日、10月1日に山口市で開催される「第66回国民体育大会」の総合開会式臨席などのため、羽田から特別機で山口県に入られた。県によると、両陛下の山口県ご訪問は平成6年以来17年ぶり。

 

 初日は到着後、県庁で県勢概要を聴取した後、山口市の大内光輪保育園を訪問し、園児らの活動をご覧になった。

 


陛下は28日、皇居・生物学研究所近くの水田で、毎年恒例の稲刈りをされた。

 

 皇居の稲はすべて「平成20号」「平成19号」など遺伝的な系統が細かく分類されている。稲刈りの際、陛下はあぜ道に稲穂が1本落ちているのに気づいて拾ったが「(すでに刈り終えた稲の束と)一緒にしないほうがいいね」と側近に話された。落ちていた稲穂がどの系統のものか分からないため、ルーツの異なる稲が混ざらないようにというご配慮だったのかもしれない。陛下が科学者としての一面を見せられた場面だった。

 

 皇太子さまは26日、徳川美術館(名古屋市東区)を訪れ、開催中の特別展「宮廷の雅-有栖川宮家から高松宮家へ」を鑑賞された。同展では、跡取りがいなかった有栖川宮家から、大正時代に祭祀(さいし)や宝物を継承した高松宮家に伝わる、書画や食器類などのゆかりの品々を展示している。

 

 今回、皇太子さまは日本中世史の研究の一環として同展を訪問された。名古屋訪問は日帰りで、まさに「じっくりと展覧会を見るため」のスケジュール。記者の取材範囲も最小限に抑えられ、皇太子さまのご関心の強さがうかがえた。

 

 それもそのはず、皇太子さまはこの展覧会では、学習院大学史料館の客員研究員としてかかわっており、「徳仁親王」の名前で同展の図録の解説文数カ所を執筆されているのだ。

 

 天皇陛下の叔父にあたる大正天皇の三男、高松宮宣仁親王が持っていた「御爪箱」の解説では、「爪を切る道具を納めた漆塗りの方形の箱。皇族が幼少時(7歳ごろまで)に使用する。(中略)なお、皇室では1月7日の七草の日に、七草を入れた水に手を浸し、その年最初の爪切りを行う習慣がある」と記された。皇室の方々の生活が垣間見える興味深い文章だ。



一方、今週は宮内庁の平成24年度予算の概算要求の内訳が明らかになった。

 

 両陛下、皇太子ご一家以外の「宮家」の皇族18方の私的費用となる「皇族費」は基本的に毎年変動しないが、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが今月、成人するため、約300万円増加。合計で約2億9100万円となった。成人に伴い、年間305万円だった眞子さまの皇族費が3倍の915万円になるため、月割りの計算をするとこの増加分になるという。

 

 また、皇居の施設関連では、宮殿などの冷房施設を改修する。今夏は宮殿の節電がクローズアップされたが、約15年ぶりの設備更新は大幅な節電につながり、宮内庁によると、冷房関連の電気代は「ほぼ半減する」見通しという。

 


各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 

 秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さまは24日、国立劇場(東京都千代田区)で、「文化による復興支援」シンポジウム~被災地に笑顔が戻る日まで~に臨席された。

 

 秋篠宮ご夫妻は29日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で、「JATA国際観光フォーラム・旅博2011」開会式に臨まれた。30日には、東京商工会議所(東京都千代田区)で、「全国犯罪被害者支援フォーラム2011」~民間被害者支援20年、犯罪被害救援基金・犯罪被害給付制度30年~パネルディスカッションをご覧になった。

 

 常陸宮ご夫妻は27日、順天堂大学有山登記念館講堂(東京都文京区)で「Baron Dr.SATO Susumu記念フォーラム」に臨席された。

 

 常陸宮妃華子さまは24、25の両日、兵庫県をご訪問。「第41回全日本総合馬術大会2011」に臨まれた。


 三笠宮ご夫妻は28日、宮邸で、新任皇宮護衛官とお会いになった。

 のどにできたがんの切除手術を受け、佐々木研究所付属杏雲堂病院(千代田区)で療養していた寛仁親王殿下は27日、退院された。

 

 高円宮妃久子さまと次女の典子さまは24、25の両日、「第19回地域伝統芸能全国フェスティバルあおもり」と「第11回地域伝統芸能による豊かなまちづくり大会あおもり」臨席などのため、青森県をご訪問。24日には式典に先立ち、東日本大震災の被災者を見舞われた。




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           「文化による復興支援」シンポジウムに臨席された 秋篠宮ご夫妻と眞子さま

                        =24日午後、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)



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          ドイツ・バイエルン国立歌劇場の日本公演のオペラを鑑賞される皇太子さま

                      =29日午後、東京都渋谷区のNHKホール(代表撮影)



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     協和工業の東金事業所内に移転した「ワインデング福島」を訪問し、支援状況や産業用モーター

     部品の製造工程を見学される天皇、皇后両陛下=27日午後、千葉県東金市(代表撮影)



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      稲刈りをされる天皇陛下=28日午後4時ごろ、皇居・生物学研究所脇の水田(宮内庁提供)











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