中国の鉄道
“走る棺おけ”か…“バッタもん”新幹線の教訓生かせず。
中国最大の経済都市、上海市の市営地下鉄で27日午後に起こった地下鉄追突事故は、日本人2人を含む271人が負傷した。地下鉄の信号系統は今年7月の高速鉄道追突事故と同じであることが判明。都市別の総延長としては「世界最長」を誇る同市地下鉄の危険な実態が明らかになった。
地下鉄を運行している企業の社長は27日夜の記者会見で、事故のあった地下鉄が死者40人を出した7月23日の浙江省温州市での高速鉄道追突事故発生区間と同様の信号系統を採用していることを明らかにした。
事故の形態も高速鉄道事故と酷似。同社長や報道によると、先行車両が信号系統のトラブルで停車し、自動制御を解除。その後、停車か徐行していたところに後続車両が追突した。高速鉄道事故では専門家が「信号システムの設計や運用時の点検の甘さなどが事故を防げなかった最大の要因ではないか」と分析、高速鉄道にも増して過密ダイヤを組む地下鉄の危険性を指摘していたが、その教訓はまったく生かされていなかった。
中国の鉄道メーカーは、高速鉄道と同様、地下鉄車両も海外に輸出する計画を着々と進めてきたが、「世界最速」の高速鉄道、「世界最長」の地下鉄で事故が相次いだことで国際的信用のさらなる失墜は必至。中国がアピールする「世界一」のもろさが露呈した。