やくざ映画で組同士の抗争が描かれると、決まって血の気の多いチンピラ役が鉄砲玉になって敵陣に突撃する。な~に10年も臭い飯を食えばオマエも幹部だと昇進を約束されたり、破格の報酬をちらつかされたりで、すっかりその気になる。あるいは親分の顔をつぶすわけにはいかないと、義理人情で覚悟を決める。返り討ちに合うかも知れないし、鉄砲玉本人にとってはあまり割のいい話じゃないが、これも極道の生き様だ。
ところが現実は映画の世界とちょっと違う。暴対法 が徹底されたため、お前が鉄砲玉になれなんてセリフは聞かれないんだとか。やくざもんの縄張り争いなら、それなりの遣り方もあるだろうと、何となく社会が認めていた古い時代とは様変わりで、ある意味、ふつうの社会よりもっと厳しく法律が適用される。
血の気の多いチンピラが傷害事件なんぞを起こし、これが組織の命令だとなれば組織の責任者にまで罪が及ぶ。子分が勝手にしたことは知りません、と云う言い訳は許されず、親分があっさり逮捕される。その上、暴力団の場合は刑期も長い。だから幹部は、暴力はいかん、くれぐれも警察のご厄介になるなと、若い者を指導するらしい。
さて、小沢一郎 氏の元秘書達が有罪になった。何億円もの巨額の寄付や借入金や支出を正規に収支報告せずに隠していた。建設会社から賄賂を受け取ったり、不正に土地転がしをしていた。政治資金が小沢の個人資産に化けたらしい。有罪になって当然だ。
一時は素直に罪状を認めていた被告達も、今頃になって不当捜査だと息巻いているようだが、やってきたコトを見れば犯罪に違いない。控訴だ何だと喚くが、執行猶予がついただけ有難いと思えと云いたい。
で、問題は小沢氏だ。どう見たって犯罪の張本人は親分の小沢であって、子分の秘書共ではない。うちのチンピラが勝手にやったので知りません、で通る筈がない。自分の政治団体だから組織の長としての管理責任がある。暴力団ですら末端の犯罪で組織の長が罰せられる時代に、小沢組の大親分がすたこらさっさと逃げるのはおかしい。本来なら子分に罪はございませんと、潔く自らお縄を頂戴しに警察署に出向くべき立場。それが出来ない薄汚い男である以上、さっさと逮捕してしまったほうがいい。
不正献金や錬金術だと云う声が飛び交うが、小沢氏の場合はちょこちょこと小金を貯めて喜ぶような玉じゃない。やたらにスケールがでかい。まさかとは思うが、かって第一次湾岸戦争 でわが国が拠出した130億ドルをネコババしたとの噂もある。政党を作っては壊し、壊しては作り、その度に政党交付金を着服したとの疑惑が拭えない。北朝鮮 絡みで大量の金の延べ棒を自宅に隠していた金丸氏の腰巾着だった人だもの、当然、そっち方面の怪しい裏金作りもお手のものだろう。そう云えば、西松建設はばたばたと関係者が死んでいる。
小沢氏をとっ捕まえて全てを白日の下に晒したら、一挙に政界の闇が晴れるように思える。そのくらい、真っ黒けの人なのだ。な~にが検察の政治的起訴だ。笑わせちゃいけない。今こそ小沢組を叩き潰せ!