日本女子は“人類最強”級。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【甘口辛口】男子はなんともふがいない・・・。




“人類最強”と呼ばれたアレクサンドル・カレリン(ロシア)。五輪と世界選手権を合わせて12大会連続で優勝し、レスリング界では唯一無二の存在だ。1999年2月、自身の引退試合で1メートル91、130キロのその肉体に触れた前田日明は「まるで競走馬のような筋肉だった」と話していた。

                                (サンケイスポーツ)

 


 開催中のイスタンブール世界選手権では、吉田沙保里がV9を達成。五輪と合わせてV11とし、来年のロンドン五輪で勝てば、カレリンに肩を並べる。偉業に近づいた吉田のみならず、女子は今大会、お家芸らしいメダルラッシュの様相で、五輪出場枠も順当に獲得している。

 なでしこジャパンに続き、日本女子は元気だが、男子はなんともふがいない。グレコローマンスタイルはアジア大会王者の長谷川恒平をはじめ7階級で誰も5位以内に入れず、五輪出場枠を1つも獲得できなかった。これは99年の世界選手権以来。まさに惨敗である。

 外国勢の馬力のあるリフト技に対応できなかった。伊藤広道監督は「ビデオなどで研究したが、タイミングは体で覚えるしかない。国際大会に出さなかった戦略ミス」と口にした。手の内を読まれないように警戒して、国際大会出場を控えていたというが、本末転倒ではないか。

 フリースタイルには期待したいが、グレコローマンは2000年シドニーで銀の永田克彦以来、五輪メダルと縁がない。出場枠獲得の次のチャンスは、来春のアジア予選。カレリンでさえ、「どんな辛いときにも体育館に足を運ぶ。あきらめないために…」と心に刻み、競走馬のような肉体を作り上げた。厳しい道のりだが、イスタンブールの屈辱をはね返してほしい。


                                     (清水泰史)