櫻井 次に寺越昭二さんのご子息ご三方にお願いします。まず、寺越昭男さんです。
◆寺越事件を拉致認定しないのなら遺骨返還を要求する
寺越昭男(寺越昭二さん長男)
こんにちは。
父が拉致されてから48年、私たちが声を挙げてから9年目です。最近、ものすごく残酷なことを考えました。菅総理が昨年、寺越事件(父寺越昭二、叔父外雄、従弟武志さんが出漁中拉致された事件)を見直すと言いましたが、今年、「拉致認定はできない」と。できない理由として、新しい証拠と被害者本人の証言が必要ということです。
48年前のことで、新しい証拠が出る可能性はまずないです。被害者の証言ですが、最後に生きている被害者の武志は北朝鮮にいます。従弟の武志が(お母さんを通じて)今年、直筆で「拉致ではない。救助された」という文書を外務省に提出しました。
寺越事件はもう拉致認定はされないわけです。ひょっとして、日本政府も北朝鮮側も、寺越事件を参考にして、他の特定失踪者、500人弱のなかで何人が拉致なのか分からないのですが、これも多分拉致認定するつもりはないんじゃないかと思います。
ある日、突然武志が亡くなった、交通事故にあった、病気で死んだとなると、寺越事件は完全に拉致ではなく救助で終わってしまうことになります。そうなった時に、私は、新しい証拠として父親の遺骨に期待しています。
武志は、親父と叔父さんと自分の3人が救助されて北に渡ったと。それなら父親の遺骨は必ずあるはずなので、私は政府に対し、期限を切って、父親の遺骨を取り返していただきたいと思います。
(拉致)50年目がいいのか、来年の(運動参加)10年目がいいのか分かりませんが、拉致であれ救助であれ、父親の遺骨を取り返していただきたい。もし、返していただけないなら拉致認定していただきたい。そうしないと、寺越事件は本当にうやむやにされてしまうと思います。
今後とも宜しくご協力をお願い致します。ありがとうございました。
◆寺越事件は「救助」であるかのように書く地元紙
北野政男(寺越昭二さん次男)
今日、小松空港朝10時の飛行機でしたが、果たして飛べるのかなと心配しながら東京まで無事に来ましたが、台風12号で被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。そういう被害を受けた中で、今日はたくさんの方が見えられた方に、心よりありがとうと言いたいと思います。
寺越事件について、西岡さんからも話がありました。石川県では、連日、寺越友枝さん(武志さん母)の記事が載っています。そんな中で、思い込みかもしれませんが、記者の皆さん方に一つお願いしたいと思います。記事の内容についてどうこうということはないんですが、全体的に、寺越事件の道筋が救助であるがごとくに書かれる。その脇役として、私たち兄弟のことが書かれる。「兄弟は拉致と言っている」という感じで、本筋は救助で、拉致は脇役という書かれ方です。
今日は記者の方がたくさんおられます。地元紙が配信される時は、道筋は拉致ですよと。その拉致の中から、武志さん、友枝さんは救助と言っているという書き方をしてほしいと思います。
新聞を読まれた方は、誰が見ても、私たち兄弟は無理矢理拉致と言っているというような印象をうけかねない。そういうことがないようにしてほしいとお願いをしておきたいと思います。
それともう一つ。今、友枝さんから、救助だと官邸に申し入れたということですが、これまでの拉致担当大臣はなにもしてこなかったとしか取られないような発言が多く聞かれました。従って、山岡大臣は、そういうことばを吹き飛ばすくらいの意気込みで、寺越事件を拉致認定してもらって、拉致が停滞しているところに風穴を開けるくらいの意気込みをもって今の政権に臨んでもらいたいとつくづく思います。
そういうことで皆さんのご協力を宜しくお願いいたします。ありがとうございました。
◆総理の高度な政治判断が必要
内田美津夫(寺越昭二さん三男)
いつもご声援ありがとうございます。
今日は、新政権、新大臣について色々なお話が出ましたが、私もこのことについて一言お話させていただきたいと思います。
私の同じ町内で、町内活動をしたり一緒に飲んだりする友達がいまして、彼はJR西日本の労働組合の委員長をやっています。彼が盆に帰ってきて、「内田さん、中野寛成のところに行ってこいよ」と。なんだいと聞くと、「組合の関係で中野大臣とよく会うので、友だちにこういう男がおるから来たら頼む」と。すると中野大臣いわく、「あのおばさんがおるからなあ」と。友枝さんのことでしょうね。
そういう話があったけれども、「それを解決するのはあんたの力でしょう」と私は言ったのです。東京にはそんなに出て来られないので、今日、9月にやっと出てきたんですが、その時には、はや大臣が交代していた。
増元さんから話がありましたように、災害復興も大事です。拉致問題は、長い間日本人の命が北朝鮮にとらわれているという大事な問題です。日本の最重要課題という認識で、新政権に取組んでもらえるのかと思っています。
私の知らないところで、いろいろな人が協力して後押ししてくれてるのだなあと思うと色々な人に感謝しています。
鳩山さんの時に、今までの政権と違うから違うところを見てくれ、と言われまして期待を持ちました。昨年の12月10日、菅さんから、「寺越さんの方は今までの政府の対応でよかったかどうかもう一度検討する必要がある」と、これもすばらしいことばをいただきました。
結局、兄が言ったように、新しい証拠がないと拉致認定はされず、崖に突き落とされたような結果でした。こうなると、今後は、認定を受けようとする時には総理の高度な政治判断、総理自身がこの問題を理解して、政治判断を下すべきだと思っています。
崖に落とされて、どうしたら這い上がれるか毎日考えていますが、これからもご支援をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
◆言うこと聞かなければ殺されるかもしれない同胞の立場を考えて
櫻井 寺越さんの拉致認定問題について、私なりに一言加えておきたい点があります。寺越武志さんが「これは拉致ではありません」と自筆で書いた。お母さんがそれを政府に提出したら、政府はそれを受け取った。このこと自体、責められるべきはひとえに政府であり政治家なんです。
寺越武志さんとお母さんはそれなりに一生懸命、拉致されている状況の中で生き延びようとしている。武志さんは結婚して子供もいらっしゃる。私たちがもし武志さんの立場に身を置くとしたら、何としてでも子供を守って生き延びたいと思うでしょうし、お母さんもこれからもまた北朝鮮に行って会いたいと思うのは親として本当に自然な情です。
ただ、武志さんが拉致ではなくて救助されたのだと、自分たちの意思で北朝鮮にそのまま住んだのだということを、国民の誰一人信じない。政府だって信じていない。政治家だって信じない。北朝鮮に最も親密な社会党関連の人だって信じないでしょう。
ですから、政府が、お母さんと武志さんのこのような自筆の書類を受け取って、その時に言う言葉として、「あなた方がこういうふうに言うのは分かります。けれども日本国政府としては断じてこれは拉致だと思っていますよ。お母さんと武志さんはそういうふうにして下さい。けれども日本国政府は何としてでも拉致被害者として取り扱って助ける方策を考えますよ」と政治家が言わなけりゃいけないんです。
もしそういうふうに言っていれば、寺越昭二さんのご子息3人の方々の気持ちも、もっとすっきりします。それを言えないようなのが今の日本国の政治家なんですよ。それを指摘してこなかったマスコミは、やはり報道する立場の人間として責任があると思います。
よく荒木さんがおっしゃいました。特定失踪者、そして拉致被害者の方々が日本に帰って来る時、北朝鮮で生き延びるために恐らくいろんなことをさせられただろう。それは全部ぶちまけて言えばもしかして非難されるようなことかもしれないけれども、それは日本国民として一切非難しないようにしましょう。非難することは間違いですよ、と言いました。当たり前ですよ。自由を拘束され、言うこと聞かなければ殺されるかもしれないわけですから。そういう立場に置かれている国民がわが同胞である。その人たちを本当の意味で助けるということを私たちは忘れないようにしないといけないと思います。
櫻井 ここでみなさんに決議案を承認していただきたいと思います。横田哲也さんにこの決議案の朗読をお願いいたします。
※決議案は、メールニュース(23.09.05)参照
櫻井 大きな拍手、どうもありがとうございました。今日またこのように嵐の中を集って下さり本当に有難うございました。私たちはこれから、もっともっと心を一緒にして、そして政府に対して私たちの気持ちをぶつけて、これまで以上に強い力で拉致問題解決への動きを加速させていかなければならないと思います。日本人の拉致被害者、特定失踪者、日本以外の中国、韓国、タイそのほか多くの国々の拉致被害者のことも忘れずに、金正日政権を追い詰め、その金正日政権を支えている中国にも責任を突きつけ、国家として立派な行動をとるように、立派な国民として国に注文をつけていきましょう。心一つにして頑張りたいと思います。有難うございました。
以上
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■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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