野田新政権成立直後の9月4日に、家族会・救う会・
拉致議連の主催で開催された緊急国民集会の概要を
【第1部】
櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)
みなさまこんにちは。全国的に、台風でひどい天候の中を今日も本当に多くの方がおいで下さいましてありがとうございます。ただいまより、「生きているのになぜ助けられない!9/4緊急国民集会」を開催させていただきます。
拉致が発生して数十年。私たちの国民が3桁にのぼるくらい拉致されている疑いが極めて強い。その中で、わが国政府は、この問題を解決できずに今日に至りました。
自民党の福田政権の時に、この拉致問題についての調査のやり直しを金正日政権が約束しました。しかし、福田政権が倒れ麻生政権になった時に、調査のやり直しの約束が反故にされました。それが3年前の9月4日のことでした。それからもう3年が過ぎてしまった。
北朝鮮の実績を見ると、彼らには調査のやり直しを真剣にやる気が全くない。ならば主権国家として国民を守るためにも、国家の自立を証明するためにも、私たちは断固として制裁を課さなければならないと思います。
にも関わらず、政治の現状は、どうなっているでしょうか。菅直人首相はお辞めになりました。辞められましたけれども、その直前には、菅直人首相個人の政治資金団体から北朝鮮と深いゆかりのあると言わざるをえない「市民の党」に6250万円もの政治献金が行われていました。しかも、民主党の政治資金の85%は政党助成金であり、私たちの税金です。
菅直人さんの6250万円の中に、私たちの税金が入っていたと考えざるをえないような状況の中で、透明性を欠く政治献金が行われていたことに対して強い憤りと疑惑を抱くのは当然でしょう。
それに加えて、菅前首相は、お辞めになる直前、朝鮮学校の授業料無償化について再び検討を始めるように指示しました。
立ち上がれ日本の平沼赳夫代表のメッセージが届いておりますので、
私が代読をさせていただきます。平沼さんは本当に今日はこの場でみなさんとともに、拉致問題解決のための志を分かち合いたいとおっしゃっておられましたが、どうしても来ることができないそうです。
◆民主党政権は、間違ったメッセージを北朝鮮政府に送ろうとしている
メッセージ 平沼赳夫(拉致議連会長、立ち上げれ日本代表)
家族会・救う合・拉致議連の主催による「生きているのになぜ助けられない!
政府は北朝鮮に『調査やり直し』約束の履行を強く迫れ! 9月4日緊急国民集合」のご開催にあたり、拉敦問題の早期解決に向けて懸命に取り組んでおられる皆様に心から敬意を表します。
北朝鮮によって拉致きれた多くの日本人が、今なお北朝鮮に囚われたまま現在も救出を待っております。帰国を待っているご家族の皆棟のご心痛の深さを思うと、私どもの力不足に対して何とお詫び申し上げたらいいのか、誠に申し訳なく思っております。
北朝鮮は3年前、拉致被害者についての「調査やり直し」を一方的に破棄し、その後、何ら態度を改めようとしていません。
にもかかわらず、朝鮮学校への無償化に関する審査手続きを再開するなど、ます。しかし、いま日本がなすべきは、拉致被害者全員を帰国させるよう徹底した圧力を加えることであるはずです。そのため今年7月にも、拉致議連会長として訪米し、アメリカの議会関係者との連携を強化し、北朝鮮に対する国際的圧力を強めてきております。
日本人の生命・財産・主権・国民の安全・安心を保障することこそが日本国政府そして政治に携わる者の最大の責務です。
北朝鮮による拉致被害者救出のために、ともに頑張りましょう。
櫻井 今日は地方からも多くの方々に応援にかけつけていただきました。新潟は横田めぐみさんを初め、多くの人々が拉致された県です。その新潟県の泉田裕彦知事がお出でです。「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の会長代行
として、今日はお出でくださいました。宜しくお願いいたします。
◆日本政府は戦略を持って拉致問題に取組んでいるか
泉田裕彦(北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会会長代行、新潟県知事)
みなさんこんにちは。
本当に長い時間が経過してしまいました。毎年、一年一年、本当に重い時間が過ぎていっている。結果として拉致被害者が戻ってこない。そういう歳月を重ねているのが残念でなりません。特にご家族の皆様方は一日千秋の思いでご家族がお帰りになるのをお待ちになっています。何としてもこの長い時間を埋めて、自然な、そして幸せな時間を取り返すにつなげていくために、また大勢の人の力を是非とも結集していくために全力を尽くしていきたいと思います。
家族に見送られて、「いってきます」と。そういう時、「今日の晩ご飯は何だろう」と。この自然な感覚を何十年も持てないでいる。本当に悲しいことです。
そしてこの状況を打開することができるのは、日本政府しかないんです。日本国民を救ってくれる組織というのは日本政府をおいて他にない。ここがしっかりとした戦略を持って拉致被害者を取戻していく。これをやらないでどうして拉致被害者が取戻せるのか。是非とも国民と政府が心を一つにして頑張っていきたい。
そのためにも皆さんからお力をお貸しいただきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。
私は、知事に就任するまで国際政治の舞台で何がなされているのか、認識が薄かったなと思わざるをえません。東京で勤め人をしているという状況の中で、国際的には様々な情報、戦略があり、タイミングを狙って国益をめざして情報ネットワークをはりめぐらしている。こういうことを認識することができませんでした。
日本は戦略を持って拉致問題に取組めているんだろうか。このことについてはやはり疑問を感じます。拉致担当大臣が2年間で5人も代わる。これは北朝鮮から見たらどうなるのか。戦略が組立てられていないということです。
一番有利な時に、交渉すればいい。これで果たして拉致被害者を取り返せるでしょうか。是非とも日本政府においては、戦略的な取組み、そしてまた国際情勢を見極めた上での対応策、そして交渉のカードを持った拉致被害者の奪還、これを進めていただきたいと思います。
先ほど、櫻井さんからもお話がありました。献金を貰っていると。事実上の賄賂という中で、本当に戦略が組立てられるのか。そうではなく、日本国民の命と財産を守る、そして家族を守る。こういう力を多くの人からいただいて、そして政府を動かしていく。
自治体としては、絶対に風化させることなく拉致被害者を取戻す運動を進めていきたいと思います。
来年この会で、拉致被害者が戻ってきたという報告を是非聞きたいと思います。そのためにも皆様方からのお力を是非いただきたい。全力を尽くして頑張ることをお誓いして今日のご挨拶とさせていただきます。今日はありがとうございました。