中川文科相、育鵬社の公民教科書。
沖縄県石垣市と与那国町、竹富町からなる「教科用図書八重山採択地区協議会」が選定した育鵬社の公民教科書が一転不採択とされた問題で、逆転不採択となった8日の「新たな協議の場」について、中川正春文部科学相は13日の閣議後会見で、「協議が整っていないと考えざるをえない」と無効を明言した。
育鵬社の教科書を選定した八重山採択地区協議会の選択の経緯には法的な問題はなく、中川文科相が現時点では同協議会の決定事項のみが有効と判断した格好だ。
中川文科相は「昨日(12日)、文科省の担当が直接、(沖縄)県教委の担当者からそのときの事情を聞き取っており、その結果を判断すると、協議が整っていないと考えざるをえないと思う」と述べた。
この問題をめぐっては、県教委が逆転不採択となった8日の協議を「(3教委で)合意した」と主張しているのに対し、石垣市と与那国町の両教委側が直後に協議の無効を訴える文書を文科省へ送付。文科省は12日に県教委から説明を求め、法的に無効との見方を示していた。
県教委から文科省への最終報告期限は16日に迫り、育鵬社の教科書採択に難色を示している竹富町教委の対応が迫られる中、中川文科相は「一義的には県教委に(まとまるように)頑張っていただかないといけないが、私たちも努力をする」と話し、文科省として事態の収束に乗り出す用意があることを示唆した。