【40×40】河添恵子
民主党代表選の“どじょう演説”。聞きながらふと、小学生の頃に暗記した宮沢賢治の「雨ニモマケズ…」が浮かんできた。レトロ感漂う、身上×心情×真情×信条が凝縮されたスピーチは、少なからぬ日本人の琴線に触れたのではないかと思う。
政権交代から2年、「東アジア共同体」など、意味不明な理想をぶち上げ、あげ句は日米同盟まで滅茶苦茶にした宇宙人サギ総理→「ノーサイド」と言いながら挙党一致ならぬ“虚党内閣”で、大震災後は“菅災”へと悪化させた史上最低ペテン総理(が、本人は最後まで自己評価が高かった。驚愕(きょうがく)!)と、いまさら言うまでもないが、国民はとっくに我慢の限界を超えていた。
で、ようやく脱トロイカ&地に足の着いた総理の誕生かなと安堵(あんど)したのもつかの間、幹事長に「日教組のドン」輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長が就任し、国家公安委員長・拉致問題担当大臣に「外国人参政権推進派」の急先鋒(せんぽう)、山岡賢次氏が! うーん、それって適材適所ならぬ“敵材敵所”ってこと? しかも、野田佳彦新総理に対する中国や韓国のメディア評は、「右翼歴史観(の政治家)」だ。なのに「靖国神社の公式参拝はしない」と早々に表明。隣国以外、ニコニコ応援ムードの経団連のことも考慮した発言かもしれないが、「融和」より「泥臭さ」を貫いてほしかった。
それと危惧するのは「徹底した歳出削減の取り組み、税外収入の確保、国有財産の売却、あらゆることをやります」という発言だ。二束三文で手に入る林地(水源)や公務員宿舎や学校跡地などの国有財産を、昨今、ハゲタカのように狙っているのは中国だ。バナナのたたき売りの如く日本が乗っ取られないよう、国民は一層、目を光らせる必要がある。
さて、国難の日本において“チームどじょう”の実行力&スピード感は如何(いか)に? 背水の陣の民主党政権を、虫の目&鳥の目、そしてサカナの目で観察していきたい。
(ノンフィクション作家)