「知らぬ」では済まない。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







外国人献金



政治資金規正法での外国人献金の規制自体は形式的なものだが、なぜこうした規制が設けられているかと考えると、実質的な“贈収賄”を防ぐためだ。

 政治家は、日本の立法や行政に大きな影響力を持つ。仮に、外国人からの政治献金がすべて許されるとなると、対価を受けて特定の勢力、特定の国に有利な政策を取ることを許すことにつながりかねない。単なる形式犯だけだと済ませられない。

 確かに、通名の使用が許されている場合、政治家側の認識が難しい部分はある。政治家が「知らなかった」と言い、明確な証拠もないなら、故意が立証できないとして嫌疑不十分となる。しかし5年、10年と長く付き合えば、いずれかの時点で、相手が外国人と知る可能性は十分ある。

 「あなたは在日外国人ですか」とは聞きづらかったとは思うが、菅直人前首相らの件で問題化したのに何の確認もせず受け取っていたとなれば、「知らなかった」と言っても犯意が推定される可能性もある。今後はさらに厳しく責任が問われることになるだろう。安易に「知らなかった」では許されない。


                    (元東京地検特捜部副部長・若狭勝氏)