「知」「地」「千」の遺産を伝える。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【都道府県 伝統の教え】千葉県




野田佳彦首相の出身地でもある千葉県。首都圏にありながら豊かな自然や歴史、文化にも恵まれる。千葉県教育委員会は平成21年に中学生用の副読本「ちば・ふるさとの学び」をつくるなど、郷土のよさを再発見し「自信と誇りを持ち未来を切り拓く」教育を進めている。

 副読本では、房総半島の里山や里海など自然に恵まれた千葉県ならではの環境や風土、歴史文化を紹介。「祝」の文字や鶴などの絵が切り口に出る房総の「太巻き祭寿司(ずし)」など食文化についても取り上げている。また災害の歴史を振り返り、安全・安心な地域づくりを考える章も設けている。「知(ち)の遺産」「地(ち)の遺産」「千(ち)の遺産」を次の世代に伝え、ふるさとを知り子供たちが夢や将来について考える工夫をしている。

 千葉県出身やゆかりの偉人は多彩だ。副読本でも紹介されている千葉常胤(つねたね)は、平家に追われ房総に落ちのびた源頼朝を援助、頼朝から「第二の父」と慕われたという。幕末の老中・堀田正睦(まさよし)は佐倉藩主(現在の佐倉市出身)。第二次大戦終末期の首相、鈴木貫太郎は関宿藩士の息子として生まれ、幼少期を野田市で過ごした。全国を測量した伊能忠敬や絵師の菱川師宣、文学者の伊藤左千夫や国木田独歩らもいる。