外国公船排除する立法を。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【主張】海保の権限強化





海上保安庁が日本の領土・領海を守るための海上警察権の強化策を盛り込んだ中間取りまとめを発表した。野田佳彦新政権が引き継ぐべき重要課題の一つだ。

 強化策は昨年9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を受けて、海保で検討されてきた。

 外国の不審船に対し、立ち入り検査なしで退去命令が出せるよう領海等外国船舶航行法の改正を求めている。また、無人島への不法上陸などに対し、海上保安官が警察官らを同行させなくても、司法警察権を行使できるよう保安庁法の改正を訴えている。

 外国人や外国船の犯罪行為に迅速に対処するためには、海上保安官の権限強化が不可欠だ。いずれの法改正も急がれる。

 ただ、中間取りまとめは中国の漁業監視船や海洋調査船など外国公船への対応については、「政府としてさらなる検討が必要」との表現にとどめた。

 日本が主権国家として、領海侵犯を防ぐためには、これが最も重要な課題である。

 国連海洋法条約は「沿岸国は無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる」(25条)と定めている。しかし、これに基づく国内法がないため、日本側は退去要請しかできない。

 先月下旬、中国の漁業監視船2隻が尖閣諸島周辺の日本領海内に侵入し、海保の巡視船が退去を求めたが、うち1隻は警告を無視して再度、領海を侵犯した。

野田氏は先月27日、民主党代表選に向けた日本記者クラブでの共同記者会見で、対中政策について「来年は指導層が代わる変革期であり、ナショナリズムをあおるためにちょっかいを出される可能性もある。何かあったときのシミュレーションはきっちりやっておくことは大事だ」と述べた。

 領海侵犯した外国船を強制的に排除するための国内法整備こそ、「ちょっかい」を抑止できる。外務省、国土交通省などは早急に検討を始めて、実現すべきだ。

 一方、衆院決算行政監視委員会は、尖閣諸島の上陸視察について「必要性がある」との認識で一致した。民主、公明両党から「野田新首相の外交方針を見極めたい」との意見が出された。

 野田新首相には、日本の領土・領海を守る断固たる決意が問われている。