【主張】民主党代表選告示
「小沢問題」にもっと向き合え
告示された民主党代表選に5人が立候補し、本格的な論戦が始まったが、「政治とカネ」の問題にけじめをつけようとする姿勢はほとんどうかがえない。
政治資金規正法違反罪で強制起訴され、党員資格停止中の小沢一郎元代表への配慮が見え隠れしているためだろう。
小沢氏が支持を表明した海江田万里経済産業相に至っては、資格停止処分の解除に加え、要職で処遇することなどを示唆した。党がけじめをつけたことをどう考えているのか。
≪異様といえる小鳩裁定≫
海江田氏の出馬に至る経緯も、昨年6月に日米関係を壊して首相を辞め、政界引退まで表明した鳩山由紀夫前首相と小沢氏とが、密室で裁定したと伝えられる。
日本の最高指導者選びがこうした談合により行われていることに強い疑問を呈したい。
代表選は海江田氏と各種世論調査で高い人気を示す前原誠司前外相の対決を軸とした構図となっている。小沢氏の処遇をめぐり前原氏が受け入れなかったことから、小沢氏や鳩山氏は不支持として、海江田氏支持を決めた。
小沢氏は資格停止処分によって代表選の投票権さえ持たない。だが、実際には党内最大のグループを率いて数の力を見せつけている。各候補が小沢氏の支援を求め、「小沢詣で」を繰り広げているのもそのためだ。異様な光景と指摘されてもしかたがない。
27日の共同記者会見で、海江田氏は小沢氏に触れ、「一票を投じることはできないが、党員であることには違いない。小沢さんを慕うたくさんの人の力を借りるのは当然だ」と語った。
小沢氏の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件では、土地購入資金の虚偽記載をめぐり元秘書ら3人が逮捕・起訴され、虚偽記載は20億円を超えた。小沢氏自身も強制起訴により刑事被告人となり、10月に東京地裁で初公判が開かれる。
小沢氏は衆院政治倫理審査会出席なども拒み、国会での説明責任を果たしてこなかった。そうした対応が民主党政権に対する国民の信頼を大きく損なったことを忘れたのだろうか。
強制起訴を経て党の処分が行われたのは当然だったが、離党勧告や除籍などのより厳しい処分にしなかったことから、小沢氏が党にとどまって活動するのを許した側面もある。
前原氏は「現執行部の考えを尊重すると明確に言っているのは私だけだ」と処分は見直さないとの考えを強調したが、野田佳彦財務相は「怨念を超えた政治」を唱えて直接言及を避けた。
鹿野道彦農林水産相も小沢氏を訪ねた経緯を説明しただけで、評価はしなかった。馬淵澄夫前国土交通相は「私は派閥に属さない」と語るにとどめた。
≪前原氏説明は不十分だ≫
東日本大震災からの復旧・復興や日本の再生がかかり、この国をどうするかが問われている時に、小沢氏復権が代表選の最大の焦点になっているのは極めて残念としかいいようがない。
一方、これまで政治とカネの問題で小沢氏の姿勢を厳しく批判してきた前原氏も、外相辞任の原因となった外国人献金問題を抱え、その対応を問われている。
前原氏は27日、3月に判明した在日韓国人女性からの献金25万円を含め、平成17年から22年にかけて在日外国人の個人4人、在日外国人が代表取締役である法人1社から計59万円の献金があったことを明らかにした。すでに全額を返金したという。
個人については在日外国人だと認識していたが、献金は「知らなかった」とし、法人献金では代表取締役が在日外国人だと知らなかったと説明した。
政治資金規正法は、日本の政治が外国の影響を受けるのを防ぐために、外国人からの寄付を禁じている。
新たな献金事実を自ら認めた形ではあるが、前原氏は外相辞任の際に説明を行うとしながら、半年近くも放置していた。
代表選告示後に、あわただしく発表した点にも不透明感が残る。「知らなかった」を押し通しているが、違法と認識していたのではないか。
最高指導者を目指す以上、引き続き説明責任を果たしていくことが求められる。
スクープ!!宗田千絵の悪行!!
スクープ!!橋本弘文!!
スクープ!!市民の党・酒井 剛!!