「戦史検定」を知ってますか? | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【40×40】笹幸恵




菅直人首相をはじめとする全閣僚は、今年の8月15日も靖国神社に参拝せずに終わった。相変わらずA級戦犯の合祀(ごうし)を参拝しない理由にしているが、それがいかにまやかしであるか、少し歴史を勉強すれば自ずとわかるはずである。それとも歴史を知った上での高度な外交判断とでも言うのだろうか。たとえ彼らがそのつもりであったとしても、そもそも靖国参拝は外交問題とは全く別次元の話である。諸外国に阿(おもね)って自国の兵士に敬意を払うことさえできないなら、それ自体が極めて幼稚な精神構造を持った国家であることを示している。これでは私たちの父祖は浮かばれない。

 私は昨年から「戦史検定」の実施に関わっている。今年もまた、11月20日に新宿で開催する予定だ。ノモンハン事件、支那事変、大東亜戦争といった昭和の時代の戦争が出題範囲である。

 この検定の目的は2つある。1つは、検定を通して得た収益を、民間建立慰霊碑の保全費用に充(あ)てていくこと。もう1つは、戦争を知らない若い世代が戦史を学ぶ機会を持ち、そして彼らにその大切さを知ってもらうことである。

戦史を検定するなどケシカランという向きもあるかもしれないが、当時の時代背景や、いつどこで何があったかという基礎的な知識が備わっていなければ歴史の視座は得られない。靖国参拝どころか、いまやアメリカと戦争をしたことすら知らない若者がいるのだ。学校教育ばかりを嘆いていても始まらない。ありとあらゆる方法で歴史を知るきっかけを作ることが急務だろう。マトモな政治家を世に送り出すためにも。

 知らない人にこそ「戦史検定」を受けてほしい。戦史はどこから手をつけたらいいかわからずに躊躇(ちゅうちょ)する人が少なくない。かつての私もそうだった。しかし学ぶ機会さえあれば、そのうちの何割かは戦史の奥深さに目を開かれるはずである。そして今、自分がここに在ることの奇跡を感じてくれるに違いない。前日に直前セミナーも開講している。

詳しくはホームページhttp://www.senshikentei.org/へ。


                                  (ジャーナリスト)