政府に危機感はあるのか!! | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【主張】円戦後最高値

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110821/fnc11082103050000-n1.htm



急激な円高に歯止めがかからない。一時、1ドル=75円台まで上昇し戦後最高値を更新した。にもかかわらず、政府・日銀から迅速な動きも危機感すらも伝わってこないのは、どうしたことか。

 円の急騰が輸出企業の収益悪化を通じて景気を冷やし、産業空洞化と雇用情勢悪化に拍車をかけることは、言うまでもない。

 政府・日銀は、円売りドル買いの市場介入という緊急対策はもちろん、超円高に耐えられる産業構造への転換という中長期的な政策も急がなければならない。

 世界金融市場ではここにきて、欧州と米国の景気減速や財政不安に対する世界中の投資家の危機意識が連鎖してドルやユーロのリスクを避けようとする、いわば消去法的な円買いが起きている。

 その材料を投機筋が探していたところへ、頻繁に市場介入する計画はないと日本の財務省高官が語ったとの米報道が流れて、日本は為替介入に消極的と市場で受け止められ、最高値につながった。

 市場には常に介入への警戒感を与えておかなければならない、という鉄則を忘れた発言だ。金融当局は、必要ならいつでも介入するとの姿勢を緩めてはならない。

 先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は8日に、「市場安定に向けて協調する」との緊急声明を発表している。欧米に協調介入を強く働きかけるのに、この機を逸してはなるまい。日銀も追加の金融緩和が求められよう。

 問題は、今の超円高が欧米経済を要因としているだけに当面、収まらない可能性があることだ。

 円高はマイナス面ばかりではない。商品や原材料を輸入する企業の収益を押し上げる。輸入品が安くなれば、内需も拡大する。

 M&A(企業の合併・買収)の好機でもある。事実、アサヒグループホールディングスがニュージーランドの酒類大手を買収するなど、M&Aが相次いでいる。

 政府は、こうした企業の海外展開を後押しする一方、国内の空洞化対策も進める必要がある。法人税率引き下げや経済連携協定(EPA)の拡大は待ったなしだ。成長が見込める医療、環境分野の規制緩和により内外企業の新規参入を促すことも、欠かせない。

 超円高時代も視野に成長戦略を練り直すときではないか。政府・与党は「退陣政局」にのみうつつを抜かしている場合ではない。