復興へ安定供給を果たせ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【主張】東北の電力不足
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110811/plc11081104560005-n1.htm



東日本大震災発生から5カ月を迎えた被災地・東北の電力供給が危うくなっている。東北電力の水力発電所の供給力が豪雨で低下した上に、ぶり返した猛暑で電力需要が急増しているためだ。

 今は東京電力からの融通でしのいでいるが、暑さで電力需要がさらに増えれば、計画停電に追い込まれる恐れもある。

 被災地の暮らしを支え、復興を早期に進めるには電力が欠かせない。菅直人首相は検査を終えて安全性が確認された原発を早く再稼働させて、安定した電力供給体制を構築しなければならない。

 7月末の記録的豪雨で、東北電力では29カ所の水力発電所が被災し、合計100万キロワットの供給力が失われた。大震災の影響で女川原発なども停止したままだ。東京電力からの融通を最大200万キロワットに増やしたものの、供給予備率は5%を下回る水準で、連日のように綱渡りを強いられている。

 東電側の事情も厳しい。東日本に電力使用制限令が発動され、自動車業界が操業を週末に移すなどの節電対策でやっとしのいでいる状態だ。加えて、柏崎刈羽原発は6日の1号機に続き、23日に7号機も定期検査で停止し、計200万キロワット超の供給力が失われる。

 東日本では、今年の最大電力需要を連日更新中で、東電管内でも需給が逼迫(ひっぱく)し、東北向けの融通が困難になる恐れもある。

そうなれば東北では一段の電力使用削減が求められる。東北電力は大口需要家への供給一部停止も検討し、場合によっては計画停電にも踏み切る構えだが、やっと操業再開した被災地企業にとり、これ以上の電力使用制限は耐え難い負担となる。貴重な雇用を生み出す企業が被災地から逃げ出す事態は何としても避けるべきだ。

 猛暑による電力不足は全国に広がり、関西電力や中部電力などでも需給が逼迫してきている。電力各社は老朽火力の再稼働などで供給力の確保に躍起だ。

 しかし、台風シーズンを迎え、思わぬ被災や故障などでこれらの発電所が停止すれば、一時的に需要が供給を上回り大規模停電に陥る事態もあり得る。それだけに、原発の再稼働を通じて供給力を高めておく必要がある。

 電力は国を支える根幹である。緊急避難であるべき節電を、政府が長期にわたって国民や企業に強いることは許されない。