海自輸送機を刷新 東シナ海での戦力強化。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








震災対応も教訓

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110724/plc11072401060000-n1.htm

防衛省は23日、海上自衛隊の輸送機を刷新する方針を固めた。中国海軍の太平洋進出が活発化する中、東シナ海の離島侵攻などの脅威に対処するためには、航続距離が長く搭載量も多い輸送機の導入が不可欠と判断した。東日本大震災での対応を教訓に民間機の転用から方針転換し、欧米の軍用輸送機から機種を選び、平成24年度予算案概算要求に関連経費を盛り込む。

 海自は現在、輸送機として戦後初の国産旅客機「YS11」を3機保有し、厚木基地(神奈川)を拠点に人員・物資を各基地に運んでいる。ただ、YS11は昭和41年の導入で老朽化している上、搭載量は約3トンで、大量の武器輸送には適していない。航続距離も短く、厚木から約2千キロ離れた南鳥島(東京都小笠原村)の航空派遣隊に物資を運ぶには硫黄島(同)で給油する必要もある。

新輸送機は数十トンの物資を積める機種を選定し、25年から4機以上を導入する。当初はYS11と同様に民間機の転用を検討したが、震災対応で機体後部のドアが大きく開く軍用機でなければ迅速に物資を搬出入できない弱点が判明し、軍用機導入に転じた。

 輸送力や機動展開態勢の強化は、昨年12月に閣議決定した「防衛計画の大綱」で打ち出した「動的防衛力」の柱。動的防衛力で念頭に置くのは対中シフトであり、有事には南西方面に海・空戦力を集結させる。防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」で海自輸送機の刷新を検討してきた。

 対中有事で海自の作戦拠点となるのは那覇、鹿(かの)屋(や)(鹿児島)両基地で、全国の基地から作戦物資を集める。武器・弾薬では、海中に投下し潜水艦のスクリュー音をとらえる音響探知機(ソノブイ)を大量に使用すると見積もっており、これを運び込む輸送力の強化が欠かせない。

輸送機では航空自衛隊が16機のC130などを運用しているが、主に空自の作戦に使用するため、海自としても独自に輸送機能を向上させる方針だ。また、海自はC130で機雷を敷設する任務を空自に依頼しているが、機雷をまくことのできる新輸送機を導入することで作戦能力を高める狙いもある。