平時の「最悪」、有事の「最悪」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【風を読む】論説副委員長・高畑昭男

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110719/stt11071907400000-n1.htm


世論調査で菅直人内閣の支持率が2割を切ったのは10日だった(フジテレビ系「新報道2001」)。その後の各社調査でも、せきを切ったように急落した。「メディアトーク」が始まったようだ。

 メディアトークとは、関連した報道が競うように共鳴・増幅を繰り返し、現実を加速させる現象を指す。確かに、退陣表明以来の首相の迷走に加え、震災復興担当相交代、原発耐性検査、独り善がりの「脱・原発依存」発言などを考えれば、こうなるのは時間の問題だったと思う。

 鳩山由紀夫内閣の支持率が2割を切ったのは昨年5月だ。あの時も、「政権8カ月で支持率を50ポイントも失ったのはワースト記録」といわれた。だが、支持率の下限は菅内閣のほうがひどい。民主党への政権交代後の最低水準を更新しつつある。

 鳩山内閣を「平時のワースト」とすれば、菅内閣は東日本大震災後の「有事のワースト」だ。平時でさえもこんな政治はご免だが、有事となればもってのほかである。

 鳩山氏も菅氏も、共通するのは地方の信頼を踏みにじって、国民全体の信をも失ったことではないか。

 鳩山内閣は米軍普天間飛行場移設問題で迷走を重ねて、沖縄県民から総スカンを食った。菅内閣は復興担当相の暴言問題で被災地の怒りを買った。菅氏自身も、原発再稼働をめぐる迷走で佐賀県や地元町長らを「小ばかにしているのか」と怒らせ、政府への信頼を裏切った。

 政権交代時に掲げた「地域主権」の約束など、もはや誰も信用しないだろう。住民の目には、「自らの利益のためなら、地域や国民全体の利害などどうなってもよい」と考えているとしか映らないからだ。

 原発政策の迷走と暴走は「菅氏の普天間問題」といっていい。その先には、2代続きで日本の国益と国民の安心・安全を損なった政権という歴史の汚点しか残るまい。

 こんな民主党に「やらせてみたい」と期待を


あおってきた人々はどう言い繕うのだろうか。