【都道府県 伝統の教え】秋田県
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110716/art11071608150002-n1.htm
祖父母から親、子、孫へと語り継がれる地域の昔話や伝説が各地にある。子供たちはそうした物語を幼いころから聞き、ふるさとの自然への畏敬や親しみ、歴史や文化を大切にしたいという気持ちを深めてきた。
秋田県を中心に伝わる伝説のひとつに、「三湖伝説」がある。青森県境にある十和田湖のほか、八郎潟(はちろうがた)、田沢湖という県内3つの湖を舞台に、主人公の「八郎太郎(はちろうたろう)」が龍に姿を変え、戦いや放浪など冒険を繰り広げる。
龍になって田沢湖で暮らす「辰子(たつこ)」との恋も登場する壮大な物語だ。地域によって話の内容は少しずつ違うといわれるが、八郎太郎は、干拓される以前、琵琶湖に次ぎ国内2位の面積だった八郎潟の名の由来にもなっている。
学校でも国語などのほか、湖の自然を守る環境教育の一環で「三湖伝説」を教材として取り上げる例がある。
秋田県は、最近は小中学校の全国学力テストでトップクラスの成績が注目されているが、「なまはげ」や「竿灯(かんとう)」など全国的に知られる行事や祭りのほか、地域の伝統的行事が各地に残り、豊かな自然、歴史や文化遺産を生かした教育も熱心に行われている。地域を大切にする気風が秋田の強みになっている。