首相が責任を取るべきだ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【主張】復興相交代
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110706/plc11070603070002-n1.htm



岩手、宮城両県知事に対して「知恵を出さないやつは助けない」などと暴言を吐いた松本龍震災復興担当相が辞任し、菅直人首相は後任に復興担当副大臣の平野達男氏を昇格させた。

 暴言をみれば辞任は当然だが、任命から9日目で実質的な仕事を何もしないままでの交代劇である。東日本大震災の被災者らにすれば「あきれてものが言えない」を通り越し、絶望感しか残らないのではないか。

 問題の本質は松本氏の首をすげかえれば解決するものではない。首相が退陣に言及した「死に体」内閣では、復旧・復興は望めないということだ。首相の責任こそ問われなければならない。一刻も早く退陣しなければ、被災者を惨状から救い出すことはできない。

 松本氏は5日朝に首相に辞任を申し出たが、前日までは地位にとどまるとしていた。「個人的な思い」としか辞任理由を示さず、これでは何に対して責任を取ったのかがわからない。

 「言葉が足りなかったり、荒かったりした」ことを陳謝したが、問われたのはそれだけではない。知事らに上から指示する発想自体が、国と被災地がともに復興に臨む姿とは乖離(かいり)している。

 さらに問題なのは首相の対応である。暴言が表面化した後も首相は松本氏に発言撤回を求めず、更迭しようともしなかった。辞任の申し出に慰留さえしたという。

 枝野幸男官房長官は「復興にかける思いは非常に強い」と松本氏を擁護した。こうした姿勢だからこそ、菅内閣は震災対応で後手に回り、いまだにオールジャパンの体制を構築できないのである。

 延命のために課題を次々と掲げる首相からは、どこが問題なのかという認識すらうかがえない。被災者の不信が菅首相に向けられている理由はここにある。

 本格復興の要となる人事に失敗した首相の任命責任は重い。野党の追及に加えて、民主党の渡部恒三最高顧問が「一分一秒でも早く辞めてほしい」と述べるなど、党内からも早期退陣を公然と求める意見が相次ぐ異常事態だ。

 被災地からも首相退陣を求める声が上がり、国政への失望と不信の広がりが止まらない。

 復興は当面、平野氏に委ねられたものの、菅政権が継続するかぎり、本格的な取り組みにはつながらない。