被災者と共に歩めるのか。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【主張】松本復興相
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110705/plc11070503130008-n1.htm


これが東日本大震災の被災地に向けて、復旧・復興の要となる人物が口にする言葉だろうか。

 松本龍震災復興担当相が3日に岩手、宮城両県を訪問した際、「知恵を出さないやつは助けない」などと発言した。暴言というほかない。

 「九州の人間だから何市がどこの県とか分からない」と、被災地の地理など知らなくても良いと言わんばかりの発言もあった。

 野党が反発し、謝罪や撤回を求めるのはもっともだ。被災地を第一に考えず、暴言を吐くような人物に、被災者と共に復興の道を歩むことが果たして可能なのか。

 松本氏は不適切な発言を直ちに撤回すべきだ。それを拒むなら職を辞するしかあるまい。菅直人首相の任命責任も極めて重い。

 阪神大震災では3日後に担当相が任命されたのに比べ、今回は100日以上を要した。被災者らはようやく専任の大臣が決まったと安堵(あんど)しただろうが、就任早々、こうした暴言が飛び出すようでは先が思いやられる。

 被災地の失望は大きい。地元の自民党宮城県連も「心を踏みにじる発言だ」と謝罪を求める抗議文を出している。首相も松本氏も深刻に受け止めるべきだ。

 松本氏は宮城県の村井嘉浩知事との会談で、「(漁港の集約については)県で意見集約をちゃんとやれ」と述べた。水産業復興のため、漁業権を一般企業にも割り当てようとする知事サイドが漁協側と対立しているのを念頭に置いた発言だろう。

 だが、「やらなかったらこっちも何もしない」という言葉からは、被災地の産業復興に対する責任意識がまったく感じられない。村井知事が会談に数分遅れたことも殊更に批判し、「お客さんが来るときは、自分が入ってから呼べ」と感情を爆発させた。

 しかも松本氏はこの後、記者団に「今の部分はオフレコな。書いた社はこれで終わりだから」とも語った。恫喝(どうかつ)といえるだろう。到底、容認できない。

 松本氏は4日になって「結果として被災者の気持ちを傷付けたのは申し訳ない」と陳謝したものの「このまま、まっすぐ向いてやっていく」と辞任は否定した。

 辞意を表明した後、1カ月以上居座りを続けている菅首相の無責任さとともに、内閣もたががはずれたとしか言いようがない。