【東日本大震災】震災から3カ月半ぶり.
生鮮カツオの水揚げ量が14年連続で日本一の宮城県気仙沼港に28日、東日本大震災後初めて、カツオが水揚げされた。魚市場には、仲買人ら漁業関係者が大勢集まり、復興のシンボルと位置づけるカツオの到着を祝った。
午前5時半ごろ、静岡県の巻き網漁船「第31大師丸」が、小雨の降りしきるなかで入港。関係者は「待ってたぞ」などと叫びながら、手を振って出迎えた。
カツオは、震災後に新たに購入したベルトコンベヤーに乗せられ、海水と氷が入った保存用タンクに入れられた。津波で自動選別機が流されたため、魚市場の職員らが1匹ずつ計りにかけて分けていった。
入札では、重さ4キロ以上の大物に1キロあたり3230円の値が付いた。平均額でも、例年の1キロ550円を上回った。
魚市場は震災で、南側の荷さばきなどに使うスペースが、長さ約250メートルにわたって約70センチ沈下。5月からかさ上げ工事を開始し、受け入れ態勢を整えてきた。今月23日に市場が開場し、漁船の入港を待つだけだった。
初水揚げのセレモニーに参加した菅原茂気仙沼市長は「カツオは7月に水揚げが本格化するため、6月中に間に合ったことはよかった。水産の街である気仙沼の復活に向けた第一歩になった」とあいさつ。
気仙沼漁協の佐藤亮輔組合長は、この日、水揚げされたのが約35トンだったことに触れ「現状は全盛期の10分の1程度。国や県などの力も借りながら、機能を早期に回復させていきたい」と話した。
震災後初めてカツオの水揚げがあった気仙沼市魚市場
=28日午前、宮城県気仙沼市(古厩正樹撮影)