刷り込まれた印象は恐ろしい。「自民党 の浜田」と聞き、条件反射的に思い出すのは政界の暴れん坊、浜田幸一氏。「バカヤロー」と怒鳴りながら、反主流派が築いたバリケードをぶち壊してた姿が頭をよぎる。ふと気付けば、あれから30年くらいは経っている。月日の経つのは早いもんです。
さて、そのハマコー先生なら随分前に引退した。だから、民主党 政権に寝返った浜田議員とは、跡目を継いだハマコージュニアだなと思った。彼こそ、愛国的な論文に文句をつけ、田母神幕僚長を辞任に追い込んだ元防衛大臣。やはりロクなことしないよなと納得した。でも、全くの人違いでした。ごめんなさい。
話題の浜田和幸議員、実は名前も知らなかったので検索したら、現役ジャーナリストなんですね。国際政治の本を沢山書き、メディアにも登場するひとらしい。それなりに話題性のある議員が菅政権に引き抜かれるなんて、自民党 もだらしがないじゃないかと、ちょっぴり不満を感じました。
ところが検索していて分かったのは、この浜田氏って何と陰謀論者なのですね。アメリカの911自作自演説、地震兵器や津波兵器説、アルカイダは存在しない説とか、トンデモ本ばかりを書いているのだとか。
一冊も著作を読まずに批判するのは気が引けるし、実は読んでみたら面白いのかも知れない。でも、荒唐無稽な陰謀論を説く人が良識の府、参議院 で議員をやってるのって、少しヘンです。
世の中には嘘かホントか判らない話は多い。妄想が書き立てられる事件や現象が次々起こる。だから、奇想天外な陰謀論には興味を持つ人も沢山いる。そっち方面で活躍する売文稼業がいたって不思議はない。だけど陰謀論を生業にする人が国会議員に相応しいとは、とても思えないのです。
菅首相の議員引き抜き工作は確かに嫌らしいし、自民党 が怒るのも無理はない。でも、冷静に考えてみたら、ワケのわからない陰謀論者なんて、天下の自民党にとって百害あって一利なし。やっかい払いが出来たと喜んでもいいんじゃないかな。