東京電力が何故こんなに苛められているのか、実を云うとよく分からない。原子力発電 はエネルギー資源の乏しいわが国にとって、重要国策として推進されてきたし、東電は国の指導下で発電している単なる事業者に過ぎない。いざ事故が起きたら、あいつが悪い!とヒステリックに指を突き付けられるんじゃ、ちょっと可哀想過ぎます。
安全性についても、原子力安全委員会はじめ多くの政府系機関が大局的な立場で、東電はじめ電力9社を監視し、指導してきた。経産省 に至っては監督官庁として、保安院が東電の箸の上げ下ろしにまで口を出し、許認可も行ってきた。だから東電に幾ら文句をつけたところで、筋違いなのです。
事故の被害者に対する賠償だって、そうです。原子力賠償法は、「原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、原子力事業者がその損害を賠償する責めに任じる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」と定めています。
東北大震災は明らかに「巨大な天災地変」だから、「この限りではない」ケースになる。つまり、東電に賠償請求すること自体、ヘンです。
さて、にもかかわらず、東京電力が、いやいや電力会社全てが悪いと云うのが、世間の風潮なのですね。産業や家庭に電力供給する事業者が何故悪いのか、さっぱり分からない。むしろ公共性の高い立派なビジネスだと思うけど、とにかく悪だと決めつける勢力があって、その悪と戦うポーズをとる政治家まで出て来る。反原発など気取っちゃってさ。
例えば橋下府知事。関西電力の節電案を蹴ったうえ、福島県の原発再開への協力要請を拒絶した。何が関電だ!などと怒ってみせる。で、これに一体どんな意味があるんでしょ。
大阪復権や関西復興を唱える府知事であればこそ、関西電力を全面的に支援して、浪花のパワーで全日本の経済産業を救おうとは思わないのかな。橋下さん、「子供の遣いだと思いやがって」と息巻いてたけど、電力供給増大策に関し何ら提言もせぬまま、ぐずぐず、いちゃもんつけるだけなんて、お子ちゃまにしか見えません。まるで、こども知事です。
ちなみに、経産省 は既に原発の安全確認が完了したと発表しています。電力需要のピークは半袖シャツでネクタイを外そうが、エアコンを切って団扇をばたばたやろうが、どうなるもんじゃない。たっぷりと電気を使用したい、そのため、停止中の原発を早く運転再開して欲しい、と云う国民の願いを汲み取るのも、知事さんの仕事だと思います。大人の知事ならね。