北方領土問題を解説=新華社
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1102&f=politics_1102_012.shtml
新華社は運営するウェブサイト「新華網」に2日、「北方四島の問題の由来」と題する解説記事を掲載した。領有権の帰属については直接触れなかったが、日本の主張を比較的多く紹介した。
冒頭で、ロシアのメドベージェフ大統領が1日に国後島を訪れたことで、日本の前原誠司外務大臣が抗議したと、最近の動きを紹介。続いて、北方四島とは日本の北海道の北東海上にある択捉、国後、色丹および歯舞の4島を指し、地理的に重要であるだけでなく、良港があり漁業資源も豊富と、一般的知識を記した。
続いて、「日本は北方四島の領有関係について、1885年に確認を得た」と紹介。具体的に詳しくは書かなかったが、日露和親条約(下田条約)で、両国が択捉島と得撫島(ウルップ島)の間に国境線を設けた事実に触れた。
サハリン(樺太)南部については、「日露戦争後、日本が占領」と解説。1945年のヤルタ協定に「サハリン南部と近隣のすべての島を、ソ連に返還することが盛り込まれた」、「千島群島はソ連に返還する」ことが盛り込まれたと紹介した。ソ連軍が北方四島を占領したのは1945年で、ソ連は単独で1946年2月、千島群島、南サハリン、歯舞、色丹を自国領土に編入すると宣言したと、紹介した。
1956年10月の日ソ共同宣言ではソ連が「日ソ平和条約を締結後、歯舞と色丹の両島を日本に返還することを認めた」経緯にも触れ、ソ連を継承したロシアと日本の間に平和条約は締結されていないことを紹介した。
領有権の主張については、「ロシアは第二次世界大戦の日本敗戦を利用し、不法占領をしている」との日本側主張を紹介し、次に、ロシア側の「第二次世界大戦の帰結であり、現状を変更すると第二次世界大戦を否定することになる」との主張を掲載した。
同記事は、北方四島をあらわす地図も併載。北海道ともサハリンとも異なる色で表示した。北方四島、択捉、国後、色丹、歯舞と、日本側地名を使った。メドベージェフ大統領が国後島を訪れたことを紹介する部分だけ、「南千島群島(日本側呼称は北方四島)」と表記した。
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◆解説◆
メドベージェフ大統領の国後訪問は、中国でも報道された。インターネットでは、北方四島を「ロシアのもの」と決めつけ、日本は「侵略しようと狙っている」と主張する意見が圧倒的に多い。尖閣諸島問題が影響していることは、明らかだ。