国際社会は謝らない。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【外信コラム】ソウルからヨボセヨ(もしもし)



エリザベス英女王のアイルランド初訪問に韓国のメディアは高い関心を示している。アイルランドは昔、100年以上にわたって英国に併合・支配され、双方には独立をめぐる紛争と対立の厳しい歴史がある。独立は1937年だが、北アイルランドは今でも英国領でもめている。

 韓国も日本に併合・支配(1910~45年)された歴史があることから関心が高いのだが、とくに公式晩餐(ばんさん)会での女王の発言が注目された。結果は期待に反し(?)、女王は過去についてはやはり謝らなかった。

 発言は、過去の歴史で苦難に遭ったすべての人びとに「心からの配慮(sincere thoughts)と深いお悔やみ(deep sympathy)を表する」というものだった。日本の天皇陛下も韓国の大統領を迎えての晩餐会では過去について「痛惜の念」を表されたことがあるが、国際的にはこうした間接的な言葉が通り相場ということだろう。

 しかし韓国は不満で、いつも直接的な「謝罪と反省」を要求する国際的な異例を繰り返し、日本も「謝罪と反省」を言葉や文書で繰り返すという異例の対応をしてきた。その結果、日韓間では「謝罪と反省」は軽くなってしまった。国際的にはきわめて“特殊な間柄”ということか。(黒田勝弘)