八雲も愛した松江 小中一貫教育に力。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【都道府県 伝統の教え】島根県




宍道(しんじ)湖に臨む城下町、島根県の松江市は古くは小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が魅力を紹介し、全国で住んでみたい街としてあげられることが多い。教育に熱心で最近は地域、家庭と連携、「松江っ子」を育てる小中一貫教育にも力を入れている。

 松江市では平成19年から今年まで5年間、「松江開府400年祭」が行われている。関ケ原の戦い後、堀尾吉晴(よしはる)が松江城築城に着手して400年たつ節目に、松江の魅力を改めて紹介、次代に伝えていこうというものだ。松江は当時の最新技術と組織力で美しい城下町がつくられたという。

 明治23(1890)年、小泉八雲は尋常中学と師範学校の英語教師として赴任。松江を題材に多くの著作を残している。

 八雲に教えを受けた人を中心に大正4(1915)年、「八雲会」が創設され、現在も活動を続けている。八雲会ブログによると、最近刊行された『ラフカディオ・ハーンの英作文教育』(アランローゼン、西川盛雄共著、弦書房)が興味深い。

 八雲の授業を受けた生徒の英作文のノートを熊本大教授らが復元した本で、「七福神」「相撲」など日本の生活、文化をテーマにした英作文を八雲が添削した跡や生徒を励ますコメントも残り、師弟のコミュニケーションがよく分かるという。