【放射能漏れ】風評被害の打ち消しに一役。
俳優で歌手、杉良太郎(66)が19日、妻で演歌歌手の伍代夏子(49)とともに福島第1原発事故の影響で避難している人々を励ますため、同県川俣町、飯舘村、南相馬市などの避難所を訪問、激励した。観賞用として特産のタラノメを贈られると、「私はちゃんと食べるよ」と風評被害の打ち消しに一役買った。
ラーメン5000食などを贈呈した杉からは、「原発事故は想定されたのでは…。人災だ」と厳しい発言も。
夫婦の活動に賛同したシンガー・ソングライターの川嶋あい(25)も合流した。
正しい情報不可欠
なぜ、差別や偏見が起きるのか。
臨床心理士の矢幡洋氏は「人間は不安な心理に陥ると、不安の対象が過剰に一般化してしまう傾向がある。例えば、福島産の一部の野菜から放射性物質が検出されると、福島全体が危険だという錯覚に陥ってしまう」と指摘する。
そのうえで、「放射線に関しても、『外出しない』などインフルエンザの対処法と似ているので、放射能も人から人へと感染するといった誤ったとらえられ方をしている部分があるのではないか」としている。
いわれのない誤解を解くには、正しい情報に接することが有効だという。
新潟青陵大学の碓井真史教授(社会心理学)は「あるグループに所属しているだけで、マイナスイメージを持つ偏見の問題が起きている」との見方を示す。
今後の対応については、「健康に被害がでるような被曝(ひばく)は確認されていないし、避難者から別の人への被曝が、科学的にあり得ないということをきちんと説明することが大事だ。科学者からの正確な情報と、社会的な力を持っている人たちの断固とした意見表明が求められている」と話している。
(SANKEI EX PRESS)
歌手の杉良太郎さん(中央)と演歌歌手の伍代夏子さん(左)夫婦が避難者を激励した。観賞用として特産のタラノメを贈られると、「私はちゃんと食べるよ」と風評被害の打ち消しに一役買った=19日午前、福島県飯舘村(大山文兄撮影)
杉良太郎と伍代夏子が福島県飯舘村の避難所に入り、放射能の高濃度地区から避難している方など飯舘村の人たちを激励。「私は遠山の金さんですよ。国会に行って桜吹雪を…」と、村民達を笑いで勇気づけた=19日午前、福島県飯舘村(大山文兄撮影)
杉良太郎と伍代夏子が福島県飯舘村の避難所に入り、放射能の高濃度地区から避難している方など飯舘村の人たちを激励。伍代さんに自分のお尻にサインをお願いする人も=19日午前、福島県飯舘村(大山文兄撮影)