真の「トモダチ」は誰ですか。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







【from Editor】3・11大地震




この国難にあって、真の「トモダチ」は誰なのか? 菅さん、鳩山さん、小沢さん、仙谷さん、福島さん、答えてほしい。

 3月27日の本紙朝刊1面の写真は、米軍の若き女性兵士がまっすぐ前を見つめる写真だった。右肩には「オペレーション トモダチ ドント・ギブアップ! がんばろう日本」と刺繍(ししゅう)されたワッペンが縫い付けられている。大きな見出しは「米軍 命懸けトモダチ作戦」とある。ペレラ・シル中佐は「この任務にあたり、日本人の助けになれば誇りに思う」と話す。

 東日本大震災が起きた3月11日、その日のうちにオバマ米大統領は「援助の準備ができている。友情と同盟関係は揺るぎなく、立場をともにする決意は強まるのみだ」とメッセージを送ってくれた。わずか2日後には原子力空母「ロナルド・レーガン」などを急派、「トモダチ作戦」には1万8280人、艦船19隻、航空機140機が従事している。

 米軍の家族らもまた「私たちも逃げない」と、震災孤児の救済に尽力する草の根運動を広げている。3月30日のサンケイ・エクスプレスの1面写真は、カリフォルニアの小学生が見ず知らずの福島原発の日本人作業員に書いた絵手紙だった。そこには「皆さんは私たちのヒーローです」とある。

地震発生の前日には「沖縄はゆすりの名人」と発言した国務省の日本部長が更迭されたが、政権の迷走から遅々として進まぬ普天間問題などでいら立った末の発言だったのだろう。その言葉は許されざるものだが、現在進行形の米国の姿こそ「真心」ではないか。

 一方、いち早く日本を脱出した外国人も多い。わが子を置き去りにして去った隣国の親もいるそうだ。ロシア機は震災発生後の3月17日と21日の2度、領空に接近。中国は26日と4月1日、ヘリが自衛隊護衛艦に近づいてきた。これが現実なのだ。

 私事を書きたくないが、福島県に実家がある。小名浜の親戚は津波で家を失い命を落とした。再就職がかなった弟の会社は倒壊してしまった。年老いた母も兄も「大丈夫、心配すんな」としか言わない。全く「大丈夫」ではないのに…。多くの被災者と同様に日本人らしく、東北人らしく、じっと耐えている。肉親を亡くした部員もいる。歯をくいしばってデスクに向かう彼にかける言葉はない。

 与党だとか、野党だとか抜きにして「命を懸ける」日本の政治家の姿を見せてほしい。(整理部長 黒沢通)