【土・日曜日に書く】ワシントン支局長・佐々木類
◆プロの仕事
東日本大震災で、宮城県に隣接した福島県の母方の祖父の故郷が町ごと津波にのまれた。文部省唱歌「故郷」に出てくるような、日本の原風景を残した、人も風景も美しい町だった。他にも多くの町が甚大な被害にあっている。国外にいても自分に何ができるかを考えながら、心の底から一日も早い復旧、復興を祈り続けたい。
こうした中、何度でも強調したいのは、自衛隊や消防、警察など日本のプロフェッショナルの奮闘とともに、米軍の物心にわたる全面支援の存在だ。
米軍準機関紙「星条旗新聞」によると、空軍第320特殊戦術飛行中隊は、仙台空港復旧のためパラシュート降下という度肝を抜く作戦を敢行した。その後、自衛隊とともに海兵隊が重機を使い、3月20日には「仙台空港の約80%を復旧させた」(コゼニスキー海兵隊大佐)というから、実戦を経験した部隊はやることが違う。
陸軍のグリーンベレーとともに米軍最強ともいわれる沖縄県キャンプ・ハンセン(名護市など)の第31海兵遠征部隊も救援のため被災地にいち早く乗り込んだ。洋上の強襲揚陸艦「エセックス」から宮城県気仙沼港に上陸し、離島の大島に物資を搬入して電気復旧工事まで行っている。
◆自治体は反対
特に注目したいのは、第320特殊戦術飛行中隊だ。
同中隊は今回の大震災が起きる約1カ月前の2月16日、沖縄県の嘉手納基地でパラシュート降下訓練を行い、嘉手納町議会が抗議決議を全会一致で可決した。日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗