中国外交
【北京=川越一】中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相は7日、全国人民代表大会(全人代=国会)開会中の北京市の人民大会堂で行った記者会見で、今年も引き続き、アフリカ諸国との関係を重視していく姿勢を示した。
質問者が限られている記者会見で、国営新華社通信、ロシアの通信社に続く3人目の質問者に指名されたのは、中国、ブラジル、ロシア、インドの主要新興4カ国「BRICs」に正式加入した南アフリカのテレビ局記者。さらに、共産党機関紙、人民日報の記者にアフリカ諸国との協力関係について質問させた。
楊外相は、海南省三亜で4月に「BRICS」首脳会議を開くことを明らかにし、南アのズマ大統領の出席を歓迎。「新興5カ国と発展途上国は競争関係にはない。BRICSは開放的で寛容だ」と述べた。
温家宝首相は5日の政府活動報告の中で、「広範な発展途上国との友好協力関係を強化、拡大させ、協力パターンの刷新と仕組み作りを推進する」ことを外交方針の一つに挙げた。温首相、楊外相の念頭にあったのは「非州(アフリカ)」にほかならない。
2006年の中国アフリカ協力フォーラムで胡錦濤国家主席が発表した対アフリカ優遇措置と、09年に温首相が「新型戦略的パートナー関係の推進」を掲げて約束した支援措置が着実に成果をあげているという。楊外相は「経済社会の発展持続がアフリカ地域の一体化を実現させ、国際的にも多大な影響を及ぼす」とアフリカ諸国を持ち上げた。
04年以降、農作物の輸入量が輸出量を超えている中国にとり、資源だけでなく食糧の供給地としてもアフリカの重要度は増している。今年は中国支援によるアフリカ連合会議センターの建設が始まる。市場開拓も視野に入れつつ、着々と“餌”をばらまいている。
日本のODAで餌まきかい