【単刀直言】野田毅自民党税制調査会長
民主党は「やはり野に置けレンゲ草」ですね。統治の責任感もノウハウも持っていないから。選挙のプロパガンダ(宣伝戦術)だった民主党のマニフェスト(政権公約)は実現できないことが明らかになった。国民に謝罪して実行できるマニフェストに改め、衆院解散・総選挙で国民に信を問うべきです。
平成23年度予算関連法案が通らなくて混乱が起きたら野党の責任だと民主党の諸君は言い出しています。米国でクリントン政権の時、予算案が期限内に成立しなかったことがあって、野党の共和党が制する議会に批判が向かったという話が念頭にあるようです。
民主党が税制などのつなぎ法案の相談もしてこないで、「混乱したら野党の責任だ」と言うのは、まるで焦土作戦、悪魔の選択ですよ。国民生活を混乱させないように努めるのが、政府・与党の政治責任のイロハのイなのに。それを果たせないなら失格だ。このままいけば行き着く先は国債暴落ですよ。
税の問題だって、菅直人首相はいまだに消費税率を引き上げたいと言っていません。4月の統一地方選という大きな選挙があるのだから、はっきり言うのが筋なのにぼかしている。6月になっていきなり増税を持ち出すなら、だましの手法です。
そもそも自民党は、昨年7月の参院選マニフェストで、消費税の当面10%への引き上げと使途の骨格を示して戦いました。国民がいやがることを公約に掲げたのです。野党になって自民党が反省した証です。
自民党の支持率は民主党が落ちたほど回復していませんが、僕は谷垣禎一総裁に耳の痛いことをしょっちゅう言っているんですよ。 「人柄がいいだけではダメ。あなたは憤ったことがあるのか。政治の世界は、今のままではいけないという義憤、公憤があってエネルギーが生まれる。義憤が体中にみなぎったら、言葉遣いも、表情も、行動様式も変わる。その自覚を持って肉食系になりなさい」
谷垣さんに会う度にこう言っています。自民党が変わったことを知ってもらうには、党の顔が変わるのが一番分かりやすいから。
もう一つ。「予算関連法案をめぐって与党が『野党のせいで混乱する』と言ってくる。でも国民からの批判を恐れてはいけない。自分の血も流す『肉を斬らせて骨を断つ』覚悟で戦ってください」とも話しています。
与野党どちらが勝つか分からないくらいの状況になって初めて解散という大勝負になる。谷垣執行部は今、その覚悟で戦っていると思いますよ。
みんなの党は消費税率引き上げに反対ですが、年金、医療、介護の財源に正面から答えないで統治責任を果たせますか。景気を良くすればって言っても、そう簡単な話ではない。みんなの党は結局、小さな政府の徹底で、金持ち優先政党なんです。バラマキの民主党よりなお悪いと思いますよ。
(榊原智)