【名言か迷言か】民主党政権は、子ども以下かも。
「誰が見てもできないことを、いつまでもできると言うのは、まさしく国民に対する不正直だ」
これは、民主党のマニフェスト(政権公約)を攻撃する野党の批判の言葉…ではない。その逆、マニフェストを国民と約束した民主党の岡田克也幹事長が、そのマニフェスト見直しについて述べた言い訳の言葉である。
岡田氏が25日、神奈川県横浜市で開かれた党神奈川県連のパーティーで、マニフェスト修正に理解を求めると、「マニフェストを守れ」などと厳しいヤジが飛んだ。そこで、飛び出した弁解がこの発言。
その前日の24日、3歳未満に月2万円、3歳から中学生に月1万3千円を支給する平成23年度の子ども手当法案の趣旨説明と質疑を行ったとき、菅直人首相の口からも、とんでもない言葉が飛び出した。
「私もこの議論がなされている小沢(一郎)代表の当時、『(子ども手当の満額)2万6千円』と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えている」
その瞬間、議場内には衝撃が走った。子ども手当といえば、高速道路原則無料化などと並んで民主党がマニフェストに掲げた看板政策。その子ども手当を、首相自ら否定するような発言だっただけに騒然となった。
「ちょっと待ってください、総理。驚いたのは、あなたではなく、国民です」と、ツッコミを入れたくなる発言。首相の言葉は「おれの知らないところで決めたものだから、約束なんか守らないよ」と言ってるも同然だ。
首相はその後の官邸でのぶらさがり取材でも「その当時、びっくりしたことを覚えていたので、そう発言した」とどこ吹く風だった。が、「満額2万6千円の支給なんて、さらさら無理。そんなの端からできるわけないじゃん。もちろん、やるつもりもないけど」という首相の本心がこの発言から透けて見える。
「民主党政権になったら、児童手当より多い毎月子ども1人2万6千円がもらえるんですよ」と一昨年の衆院選で国民をあおり、政権を奪取した主要メンバーの一人は首相でもある。これでは、鳩山由紀夫前首相ではないが、マニフェストは「方便」で、「詐欺フェスト」だったということだろう。
「言葉が軽い」とやり玉に挙げられるのはこれまで鳩山氏だったが、何も鳩山氏に限らず、首相や岡田氏も同じだということだ。しかし、言葉が軽いでは済まされない、これは紛れもない国民に対するウソなのだ。
「ウソをついてはいけません。約束は守りなさい」とは、子どもをしつける親が子どもに言い聞かせる基本の「き」、である。
「できないことを、できる」とウソをつき、できないことがバレそうになると「ウソをつき続けるのは、不正直だから」といって今度は約束を破る。子どもの話ではない、日本の政権政党の話なのだ。これでは、民主党政権は子ども以下である。(小島優)
◇…先週の永田町語録…◇
(21日)
▽粘り強く
菅直人首相 調査の結果は真摯(しんし)に受け止めて、いまはやはり予算が国民生活にとって大変重要だと、粘り強く訴えていきたい。(内閣支持率低下について記者団に)
▽割り算の人
小池百合子自民党総務会長 菅さんは「足し算の人」で、与謝野馨経済財政担当相を足したが、(民主党会派離脱を表明した)16人が引かれた。片や小沢さん(一郎元代表)はすぐに党を割る「割り算の人」だ。(福岡市内での講演で)
(22日)
▽予算成立は重要
菅直人首相 予算の成立、執行が今の日本経済にとって重要だということについて、谷垣禎一自民党総裁がどう考えているのかぜひ聞かせてもらいたい。(23日の党首討論について記者団に)
▽無能で無力
逢沢一郎自民党国対委員長 政権を担当する体制そのものが崩れつつある。首相が与党内をコントロールし、国民の期待に応える政治を行う上で無能、無力であることを明らかにする。(党首討論について記者会見で)
(23日)
▽叱りに来たのでない
菅直人首相 今日は皆さまを叱りに来たんじゃない。慰労の気持ちを込め顔を出させていただいた。(ニュージーランドの地震対策にあたる外務省職員への激励で)
▽カラスがほじくる
亀井静香国民新党代表 2011年度予算案を成立させるために連立を組む党として努力している。権兵衛が種まきゃカラスがほじくるじゃないが、連立の片方(民主党)がそれをぶっ壊している。(同党議員総会でのあいさつで)
(24日)
▽横並びは大事
岡田克也民主党幹事長 横並びで合意することは大事。自主的に返納するよりもきちんと決めた方がいい。(衆参両院の常任委員長らの手当廃止を各党に提案することについて記者会見で)
▽みっともない
舛添要一新党改革代表 予算案を審議しているのにいかがなものか。統治する政党としては完全に失格の状況に来ている。甚だみっともないし、恥ずかしい。(松木謙公農水政務官の辞表提出に関し記者会見で)
(25日)
▽増税大魔王ばっか
河村たかし名古屋市長 減税勢力を広げてくとこ(狙い)は、名古屋だけではつぶされちゃうといかんから。政治は増税大魔王ばっかですから、減税の勢力を作るために、日本中、種まきしながらわが身を捨ててやろうと。(都内で記者団に)
▽芥川賞作家だから
平沼赳夫たちあがれ日本代表 芥川賞作家だから、立候補を決めたかどうかを人にうかがわせるような態度ではなかった。(石原慎太郎氏に東京都知事選立候補を要請後、都庁で記者団に)