「死体ビジネス」批判も。府警が捜査。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








650万人集客「人体の不思議展」窮地に。



全国各地を巡回し、650万人を集客した「人体の不思議展」が窮地に立たされている。厚生労働省が人体標本は「遺体」との見解を示し、京都府警が捜査を開始。展示会場近くの住人から慰謝料を求める民事提訴も起こされ、人気イベントは法廷にまで持ち込まれる事態へと発展した。主催者側はあくまで「学術目的」を強調するが、「死体ビジネス」との批判も根強く、今後さらに論議を呼ぶ可能性がある。

 京都市左京区の市勧業館「みやこめっせ」で先月23日まで開かれた人体の不思議展。入場料が1500円と高額だったにもかかわらず、閉幕前には1時間超の入場待ちができる盛況ぶりで、同館には「もう終わったのか」「見に行きたかったのに…」との問い合わせ電話も寄せられたという。

 献体された遺体をホルマリンに漬けず、シリコン、ポリエステル樹脂を染み込ませるなどの特殊技術で加工した標本が日本で初めて一般公開されたのは平成7年。日本解剖学会100周年記念事業の一つとして開催され、このときはドイツ人研究者が開発した人体標本が展示された。

 京都展と同じ中国人の献体を使うようになったのは平成14年以降。展示標本に施した技術は「プラストミック」と呼ばれ、ドイツ人研究者が開発した技術とほぼ同じだが、主催団体が従来と異なる。

 主催者側によると、標本はいずれも中国の研究施設で作られ、それを賃借し、日本に持ち込んでいるのだという。

 これまで35会場を巡回した人気イベントには当初、日本医師会や開催地の自治体などが後援に名を連ね、著名な解剖学者が監修するなど“お墨付き”を与えてきたが、「人の死の尊厳を踏みにじっている」などと反対する動きが大きくなり、最近は後援に加わる団体も少なくなった。

 京都展の実行委員会は産経新聞の取材に対し「展示会の開催自体に問題があるとは思わない。学術的にも配慮している」と説明。一方、同展の開催で多数の死体標本が展示され、精神的な苦痛を受けたとして、1万円の慰謝料を求める訴えを起こした京都工芸繊維大の宗川吉汪(そうかわ・よしひろ)名誉教授は「死者の尊厳を冒涜(ぼうとく)しており、生命倫理的に問題だ」と話している。



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http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110201/crm11020114030011-n1.htm