やはり「田舎芝居」なのか。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





【主張】民主党




へたな芝居を「田舎芝居」と評するが、民主党の小沢一郎元代表を政治倫理審査会に出席させる党内の動きは、そんな言葉を彷彿(ほうふつ)させる。

 国会招致に応じるポーズだけを示す小沢氏に対し、菅直人首相らは傍観しているように見える。首相が年頭会見で「不条理を正す」と強調した意気込みは、いったいどこに消えてしまったのか。

 小沢氏は11日、衆院政倫審幹事を務める川内博史氏を通じて「通常国会開会後なら出席に応じる」との意向を土肥隆一政倫審会長に伝えた。しかし、土肥会長が正式な書面を12日に提出するよう求めたのに対して、「14日まででいいだろう」と拒んだ。

 小沢氏は昨年暮れに会見し、それまでの政倫審出席を拒む姿勢を一転させた。だが、自らの出席で国会運営が円滑に行われることを前提に置き、国会の召集直後か予算案成立後と時期を指定した。

 条件付きの姿勢に批判が出ると、小沢氏は「条件を付けるつもりはない」と周囲に語ったが、結局は国会召集後を指定して出席を申し出たわけだ。

 通常国会は当初、28日の召集が予定されていたが、24日に前倒しする調整が行われている。一方で、検察審査会は今月中に小沢氏を強制起訴する手続きを進めている。そうなれば小沢氏が公判準備などを理由に再び政倫審出席を拒むことも予想され、政倫審は開催されるかどうかわからない。

 党執行部は25日の政倫審開催を前提に、野党側と協議に入るとしているが、強制起訴の動き次第で確たる見通しは立っていない。

 

 12日の民主党両院議員総会では、小沢氏に近い議員から国会招致問題について「味方を野党に売り渡すのか」といった反発の声も出された。だが、首相は「小沢氏自身が政倫審に出ると言っている」とかわし、政倫審開催によって「一つの形が動いていける」などと、事態が前進するかのような認識を示した。

 そもそも、偽証罪を伴う証人喚問でなければ、疑惑解明は困難である。喚問の実現に取り組もうとしない首相や岡田克也幹事長は情けない。

 党大会乗り切りや内閣改造にメドがついたと判断して、「政治とカネ」の問題に「知らん顔」を決め込むなら、だれも首相の言葉を信じない。