新年に当たり、宮内庁は天皇、皇后両陛下が昨年に詠まれたお歌のうち、計8首を発表した。お歌は以下の通り(原文のまま、ルビも)。
【天皇陛下】(5首)
《石尊山登山》
長き年の後に来たりし山の上(へ)にはくさんふうろ 再び見たり
《大山千枚田 》
刈り終へし棚田に稲葉青く茂りあぜのなだりに彼岸花 咲く
《虫捕りに来し悠仁に会ひて》
遠くより我妹(わぎも)の姿目にしたるうまごの声の高く聞え来(く)
《遷都千三百年にあたり》
研究を重ねかさねて復原せし大極殿 (だいごくでん)いま目の前に立つ
被災せる人々を案じテレビにて豪雨に広がる濁流を見る
【皇后陛下】(3首)
《明治神宮 鎮座九十年》
窓といふ窓を開きて四方(よも)の花見さけ給ひし大御代(おほみよ)の春
《FIFAワールドカップ南アフリカ大会》
ブブゼラの音も懐しかの国に笛鳴る毎(ごと)にたたかひ果てて
《「はやぶさ」》
その帰路に己れを焼きし「はやぶさ」の光輝(かがや)かに明かるかりしと