選抜クラス 中川です。
先日、アニメーションや外画でディレクターをされている講師の方をお招きし、特別授業が行われました。
今回の授業は、私にとって「役作りの糸口」を見つけられた大切な時間になりました。
私は今回、一言だけのセリフを頂戴しました。
短いからこそ、どう役と向き合うか、じっくり考える機会をいただけたように思います。
まず意識したのは、「わかっている情報」をできるだけ拾い集めること。
キャラクターの年齢、体格、立ち位置やカメラアングル……一見関係ないようなこともリストアップして、
それを“ルール”や“箱”と考える。その上で「どこまで遊べるのか?」を探っていきました。
この「ルールの中で自由を探す」作業は、私の性格にも合っていると感じました。
考え性だからこそ、順序立てて情報を整理し、その中で余白を見つける。
その余白が、役を自分のものにするための遊び場になるんだと思いながら掘り下げをしてみました。
具体的には、同じ顔のキャラクターが複数描かれ、私は最後に一言言う役だったのですが、
「自分のセリフは誰がしゃべっているんだろう?」という自由さが残されていました。
そこで、発言も一番最後だし、いっそのこと、この場で一番偉そうに見える立ち位置の人にしよう!と決めて演じてみたんです。
さらに今回の役は、調べても事前情報がほとんどなく、どんな人物なのか分からない部分がありました。
だからこそ「許された自由」として、役が“周りからどう思われているのか”、
そして“その役自身がどう思われたいのか”“相手にどうさせたいのか”まで考えるようにしました。
結果的に先生から「とても自然だった」とお褒めの言葉をいただけて、自分の中での役作りの方向性に一つ光が差したように思います。
講師の方は「キャラクターになろうとするのではなく、お芝居が土台になければならない」とお話してくださいました。
役と自分をイコールで結ぶことの大切さはもちろん、私は今回「情報をどう解釈し、そこからどう役を立ち上げるか」という自分なりのアプローチを掴めたことが大きな収穫でした。
「自由」は求めて、「勝手」は戒める。これが大切なのではないかなと思います。
これからも一つひとつの役に真摯に向き合いながら、
“ルールの中の自由”を楽しみつつ精進していきたいと思います。
選抜クラス 中川