アクセルゼロ | ~声優のたまご達~アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」のブログ

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アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」~熱血講師と声優を目指すたまご達の成長記~

選抜クラスの上田です。

 

先日、音響監督の方の特別授業を受けさせていただきました。授業内容は講師の方が実際に音響監督を務めた作品でのアフレコでした。

 

授業の冒頭で、森川先生に事前に決めていただいた配役を通しで一話やらせて頂き、講師の方から総評をいただきました。

私たちのクラスの課題は大きく二つでした。

一つは、キャラクター性の上から芝居を創っているため、その範囲の中でしか芝居ができていないこと。もう一つは、バンク(知識や経験)が少ないことです。

 

一つ目に関しては、芝居の根本の組み立て方が間違っていたということです。私たちは「このキャラクターは○○だから○○風に喋ろう」と芝居を創ってしまい、そのキャラクターの一面しか表現が出来なくなってしまっていました。そのため、キャラクターの多面性が表現出来ておらず、意図が見えない芝居になっていました。

キャラクター性に囚われて芝居を創る前に、まずは「自分ならどう感じるか、どう反応するか」を土台に置き、その上でキャラクター性から逸脱する部分を研鑽して練り上げるのが、生きた芝居の創り方だとご教示いただきました。

 

私は市場の売り子の少女役をやらせて頂きましたが、この課題点を聞いて、確かに自分の芝居も「少女」として“少女らしく”喋ろうという意識から芝居を創ってしまっていたことに気付きました。

クラス全体の意識改革が必要であったため、二回目の通し前に掛け合い相手とのディスカッションの場を設けて下さいました。

私は残念ながら会話相手がいない役だったため、掛け合いについてはディスカッション出来ませんでしたが、同じく掛け合い相手がいない役のクラスメイトと共に各々の場面背景について整理し合いました。クラスの雰囲気を見ていても、とても有意義な時間になっていたと思います。

私は二回目の通しで、“少女らしく”喋る意識を取り払い、売り子としてその世界に存在する自分を想像して、がむしゃらに「売りたい!」という気持ちを込め、賑やかな市場の中で足を止めさせる意識を持って芝居に取り組みました。キャラ背景が無い役だったからこそ、キャラクター性に囚われることなく、とても素直に出来たと思います。

 

課題の二つ目は、そのままの意味ではありますが、情報が溢れる現代社会であるからこそ、私たちは無意識的にも情報の取捨選択をしており、自身が好む情報しか取り込まないようになってしまってるため、知識や経験に偏りがあるということをご教示いただきました。

 

当たり前の事のようで、多くの人が気付いていないアイデンティティ形成の根底のように感じました。たとえ沢山の知識を蓄えていると自負していようとも、知らず知らずのうちに切り捨てて来た知識や経験が確かに存在する。私が大好きな舞台作品にも、捨てられた本に対して「興味の無い本こそ新たな知識を得られるチャンスに繋がる」と言う台詞があります。自身が興味の無い分野にまで及ぶことで、初めて本当の意味で『知識・経験が広い』と言えるのだと思います。

 

この授業を通して意識改革のきっかけをいただき、とても実りのある財産を得ることが出来ました。私にとってまさに天啓を受けたようでした。

今後もお教えいただいたことを活かし、豊かな人生を切り拓き、生きた芝居が出来る役者になれるよう精進して参ります。

 

選抜クラス 上田