選抜クラスの稲葉です。
今回の授業には、特別講師として、声優・ナレーターとして活躍されている先生がお越しくださいました。
先生は、バラエティ・ニュース番組と様々なナレーションのお仕事をされており、中でも有名なのは「カーナビの音声」を担当されていることです。
実は、基礎・研究クラスでも、先生の授業があり、今回私は3回目の受講だったのですが、
私達の身近な生活音声として活躍されている方に、自分のナレーションをディレクションしていただける喜び、そして、昨年度からの自分の成長を見せたいという気持ちから、授業を向かえる度に『やってやるぞ!!』と意気込みが強くなっているのが分かります。
基礎・研究では、ナレーションの基礎となる「読み方」や「音の使い方」「音の立て方」「聞き手に"伝える"という意識」を教わりました。
選抜クラスで行われる授業は、一体どんな内容なのか…?
早速渡された題材を見て、大きな衝撃が!!
一文一文が非常に長く、言葉の羅列、羅列…中には専門的な用語も散りばめられていました。
内容としては、新プログラムの事業説明なのですが、一度読んだだけでは、なかなか内容が頭に入ってきません。
先生は、戸惑う私達を見ながら、こう仰いました。
「難しい題材ではありますが、企業のお仕事としてよくあるナレーションです。「説得力」のあるナレーションにしてくださいね。」
『説得力』
私は瞬間的に、今回の授業のキーワードになると感じました。
『説得力』のあるナレーションにするために、必要なことは何か。
授業全体を通して、私が感じたことは大きく3つありました。
①"理解する"こと
事業内容を理解する、ということではなく
ナレーターとして、文章を正しく理解すること、
また、文章の作り手が、何を伝えたいのか理解すること、この2つが本当に大切なのだと感じました。
例えば、文章の理解でいうと
「〜に関する〇〇」この言葉が出てきた時、
前後の文章が長いと、つい「関する」で一度切りたくなってしまうのですが、
「〜に関する」の部分は、〇〇について説明しているため、切ってしまうと聞き手が正しく理解しにくくなってしまう、というディレクションがありました。
また、聞き手に何を伝えたいのか
この部分を理解できていないと、ただ全体をつらつらと読み上げているナレーションになってしまいます。
聞き手へ伝えたい部分を理解することで、自ずと文章の中で立てるべき部分が見えてくるようになり、聞き手に届く、"商品となる"ナレーションになるのだと感じました。
その前提として繋がる、2つ目は
②聞き手に「伝える」気持ちを持つこと
これは、基礎・研究クラスでも、何度も仰っていた部分なのですが、
難易度の高い文章だからこそ、文章の難しさに振り回されず、根底としてこの気持ちを持てているのか、試された題材であったと感じました。
"伝えたい"という原動力があるからこそ、聞き手に届けるために①"理解しよう"と頭が動くのだと体感しました。
そして最後に、①.②を支える
③全ての音を前に出すこと
滑舌・話すスピード、基礎的な部分はもちろんのこと、1音1音をとても大切にされていました。
音をくっつけてしまったり、伸ばす音や小さい「つ、や、ゆ、よ」の音を短くしてしまったりすると、どんなにゆっくり話しても、早く聞こえてしまい、聞き取れない音になってしまう。
「ナレーションに聞き取れない音はあってはいけない」
"理解して"、"伝えよう"と気持ちを持っても
届けられる技量がなければ…
「基礎」の大切さ、難しさを改めて痛感しました。
ナレーションにおいても、演技においても
『説得力』があることは、非常に大きな部分だと思います。
今回は、ナレーションに特化しながらも、全てに通ずる重要な根本を再確認することができた授業でした。
拙い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
みなさまの心に何か1つでも残る部分があったら、とても嬉しいです。
選抜クラス 稲葉