うちは、老人独特の匂いがする!と居間に入るなり言ったオーランド君。
「なんでだろう、どんな匂い?」
会話に付き合ってあげるも、続けるほど素晴らしい内容でもない。
そもそも、悪気はなく、本当のことを言ったに過ぎないんだろうし。
すると、リュックから校正した私の卒論を取り出す。
今回は、色々気をつけたつもり。
しかし、今回もたくさん添削されてる。
遠目に見たら、灰色の用紙に移ったことだろう。
「今回はまあまあだった。冠詞は、それほど問題じゃない」(←諦めモードか?)
「文章が良くない。」
ガックリ……
沈んでいると、
「残りの日数が少ないし、ドイツ語うまくなれないよ。」
追い討ち…![]()
「うまくなりたいんだけどなぁ」
というと、話している言葉を直してくれた。
話している最中にも、「もう一度、始めから」「最後まで話して」「何今の。ちゃんとした言葉を話して」とスパルタ教育。
自分から、うまくなりたいなんて言っておいたくせに、あまりにも直すべき点が多すぎて、おまけに言い方がきついので、だんだん腹が立ってくる。
キーーーッ!!!
それで、結局やめちゃうんだよね・・・
だから、上達しないんだ。
落ち込み気味の私の隣でローランド君は饒舌。
「夏目漱石のこころは楽しくないんだよね。なんか全然進まない。今は、蟹工船を読んでいる。」
「こころはね、次第にこころを開いていく先生と僕の関係がミソ。内容的につまらないなら、文章のスタイルを楽しんでごらんよ。」
「先生についてなんて全然興味ない。文章も、ただの普通のことをいかにも難しく書いている。つまらないから、もう読まない」
キミ、キミ、人のこと言えないけどね、語学には忍耐が必要なのだよ。
あとちょっと頑張る、という忍耐がね・・・![]()