徒然日記 ~2024/05/13~ | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

ここんとこ、隔週更新がディフォになりつつありますが、意外と自分でもしっくりきているので、暫くはこの形式で行こうと思っています。別に職場で人員削減の分の仕事を全て丸投げされて、家に帰るとヘトヘトなのに翌日の仕事を考えるとマトモに眠れない日々が続いて、血が滲むまで皮膚を搔き毟るほどストレスが溜まっている訳ではありません。多分、恐らく。偏に久しぶりに『ある企画』に挑戦しようとして他の時間が取れないだけです。企画の内容に関しては目途が立ってから改めてお伝えします。お伝えがない場合は【お察し下さい】

 

そんな訳で今回は大河ドラマ+別のドラマ作品の寸感です。

 

 

 

 

ききょう「御上と中宮様は重い御使命を担っておられますの」

 

うまぴょいの最高敬語。

 

まひろとの謁見前に定子と一発キメてくる一条帝。奥で『済ませて』から現れるのではなく、まひろに姿を見せたあとで定子と手に手を取って仲睦まじく奥に下がるのが色々と闇が深い。コイツらロマンティクスしたんだ! 或いは帝と中宮の仲睦まじさをアピールするための政治的演出か、それとも、一発キメることによる強制賢者タイムで、謁見時での利害や感情に囚われない公正な判断を狙っているのかも知れません。そーいや、まひろが三郎に『一緒に逃げて海外で暮らそう!』などと寝ぼけた要求を迫られた時も、一発抜かせることで事態の収拾を図っていました。当時は賢者タイムで落ち着こう&落ち着かせようという風習があったのか気になるところです。

その三郎は三郎で、関白就任後も『権力の座? あんまり執着ありません。偉くなり過ぎると会議で政策を練る楽しみがなくなるじゃん? 役職? うーん、皆で持ち回りでやっていけばいいんじゃね? あとは民草の暮らしも考えていこーよ!』とラノベの主人公みたいな余裕綽々なスタンスでしたが、一条帝の口から『まひろが男だったら登用してみたくなった』と聞かされた途端、

 

藤原道長「俺だけの! 俺だけのまひろじゃなくなったー!」

 

とめっちゃショックを受けていたの、ホンマ草。為時の越前栄転も帝の手が届かない地方に親父ごとまひろをトバそうとする意図があるのかも知れません。公私混同にも程があるやろ。公任たちとのロッカールームトークでボロクソに貶されていた時は可哀想なまひろ……俺にとってはあんなに可愛いのに……とか上から目線のヨユーぶっこいていたのにねぇ。元カノがモテた時の男の心境は複雑だねぇ。或いはこれもこれ以上、一条帝のお手つきが増えて後宮の人間関係がヤヤコシクなるのを防ごうとする政治的配慮かも知れませんが、推し(定子)と推し(まひろ)を逢わせる究極の推し活のためには廊下に上敷き鋲をバラ撒かれるリスクなど屁とも思わないききょうさんに比べると、些か狭量な印象は拭えないでしょう。つーか、本作の紫式部と清少納言、仲が良すぎて意外。ここから正史ルートで壮絶なディスり合いが始まるのか、それとも、ソウルメイト的シスターフッド路線を維持するのか。

ただ、そんなこんなで人間関係的な面白さはあったものの、一番期待していた長徳の変は『次回へ続く』というお預けを食らったのが痛い。『放たれた矢』というサブタイからして、今週からガッツリとやってくれると思っていたのですが……個人的には伊周には花山院と承知のうえで矢を射て欲しかったですね。それと、現時点の三郎は寛和の変の際の兼家パッパみたいな存在足り得ていないので、来週の変本編もあまり期待出来なさそう。

 

次はこれ。

 

 

 

 

トニオ「そんなもの……ウチにはないよ」

 

何故、この原作の台詞をカットしたのか?

 

仗助と億泰……じゃない、露伴と京香ちゃんにメニューの有無を尋ねられて、

 

トニオ「メニュー? OH! 献立表(リスタ)のことですか? アリマセン!」

 

と満面の笑みで応えるのはイメージと違った。『そんなもの……ウチにはないよ』という台詞は、些か浮世離れした&まだ日本に馴染んでいないトニオさんのイメージを一言で伝える最高のキャッチじゃあないですか。或いは『そんなもの……ウチにはないよ』は密漁よりも公共放送でのハードルが高いフレーズなのでしょうか? コック帽のままで海に入るトニオさんといい、他は概ね原作の台詞やシチュエーションを拾えていただけに、非常に悔いの残る取捨選択でした。

 

さて、実写ドラマ化当初からファンの間で『NHKでやれんのかー?』『やれないでしょー!』と議論が繰り返されてきた『密漁海岸』。最終的に『アワビは密漁していません! あくまでもアワビを食べたタコの料理で、アワビの滋養を活かしただけからセーフです!』理論で、公共放送での密漁描写を切り抜けたのは巧いと思いましたが、そこ以外がピリッとしない内容でした。まぁ、最大の要因は『密漁海岸』が原作でも『ザ・ラン』と並ぶ屈指の傑作であった分、事前のハードルが高くなり過ぎたというのが考えられますが、そこ以外でもチラホラ気になる点が散見したのも事実。

まず、ドラマの尺を稼ぐため&トニオさんのキャラクターを説明するために『JOJO』本編の『イタリア料理を食べに行こう』を持ってきたのは判るとして、時間配分も内容もそちらに引っ張られ過ぎてしまい、肝心の『密漁海岸』のエピソードが霞んでしまったのが一つ。この辺、読者がトニオさんが何者かを知っていることを前提にストーリーを進められた原作のアドバンテージがドラマにはないとはいえ、全体の半分以上を『イタリア料理を~』に費やしてしまったのはバランスを欠いたかな。『イタリア料理を~』自体、原作でも屈指の名エピソードであるのに加えて、イッセー高橋と飯豊さんが仗助と億泰の代わりに身体を張った食リポを務めてくれたおかげで、悪い意味で『密漁海岸』を食ってしまったところがあります。個人的には京香ちゃんのほうが肩こりだと嬉しかったかも(変態)

また、これは言っても詮ないことと判っているけど、本来は別々のエピソードをくっつけた所為で前半と後半の繋ぎの必然性に乏しかったこと。それこそ、本編の台詞で言うと『チーズがトマトを、トマトがチーズを引き立てて』いないまま、単独のエピソードを2本見たレベルに留まっているのよね。あと、これも言っても詮ないことと判っている(大事なことなので二回言いました)けど、トニオさんがイイ人か悪い人か途中まで判らないのって、日常的に明確な敵対意識を持った新手のスタンド使いに襲撃されている仗助だから活きる設定なのよね。スーパーフライ戦のようにトニオさんの逆パターンみたいな設定もバトル漫画で真価を発揮する訳で、その辺も怪異や変人にマトを絞ったドラマ版では活かしきれなかったところかな。

そして、これはドラマ版の根底に関わることなんだけど、

 

京香ちゃんは怪異を直接認識しないほうがいい

 

と思うのよ。今までのシリーズで彼女は何度も死にかけたり、恋人が死んだり生き返ったり、振り向いたら死ぬ瀬戸際にいたりと相当ヤバい橋を渡っているのですが、そのこと自体、本人は無自覚なんですよ。京香ちゃんは人を食ったような人柄の露伴でさえも手を焼くノー天気な性格と、露伴の手回しで毎回『何か不思議なことがあったなー』レベルの認識で留まっているのですが、それが現実と怪異の間に明確なラインを引く役割を果たしているのよね。これは刑事コロンボでコロンボのカミさんが登場しないのと同じレベルで、作品が自らに課す決めごとの一つだと思うのですが、今回は思いっきりトニオさんの料理による怪異現象を体験してしまった訳で……涙や垢までは原作でもアホの億泰が疑わなかったからギリセーフとしても、これも原作で仗助が決定的にトニオさんの料理がフツーじゃあないと判断した永久歯の生え変わりは、如何に京香ちゃんでも異常と気づいたでしょうし、それに対する何等かのフォローや、現象を正当化するウンチク(近年の研究では永久歯を新たに生やす研究が試みられています)といったフォローがないままで終わってしまったのが残念。或いは歯のほうは露伴が体験して、露伴が京香ちゃんに気付かせずに黙っているという方法もあったんじゃあないかな。それだと垢を京香ちゃんのほうでやれるし(変態)

まぁ、そんなこんなで事前の期待値を越えなかった&色々と文句を書き立てましたが、ただ、それでもそれなりに楽しめたのも事実です。トニオさんの再現度ブッチギリで高かったからね。エンディング付近で『懺悔室』を匂わせる発言もあったので、それも楽しみ。