徒然日記 ~2024/04/29~ | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

何とか先週中にデカい仕事の山場は越えたのですが、週末に上役から全く引継ぎを受けていない業務が次々とメールで送られてきて『質問があったら答えるよ、メールでね(はぁと)。あ、仕事の期限は月末ね(はぁと)』という心温まるメッセージに心が工業廃水で洗われるような気持ちになった与力です。私は月末の今日明日はお休みを頂いている筈なので、向こうが確認を怠ったのでしょう、多分、恐らく。俺は何も見なかった。いいね? 取り敢えず、月初に出勤して以降が色々な意味で大変そうなので、暫く更新頻度の低下と簡易記事の連続になるのは避けられないと思います。御了承下さい。

まずは大河ドラマの寸感。

 

 

 

 

 

先週~今週の『光る君へ』はイマイチ印象に残らない内容。兼家没後、政治劇を主導する存在がおらず、宮廷パートがダラーッと進行しているのは否めないところ。今週来週で二人の兄貴が退場する三郎ですが、現時点ではまだまだ政治パートを引っ張る『顔』になっていないと思われます。中関白家との抗争が控えているとはいえ、その伊周との対立の前フリも不足気味。三郎が動かせないなら、詮子にもっとフォーカスを当てて欲しかった。息子と嫁のおねショタロマンティクスに不快感を示すだけだったからなぁ。

ただ、何だかんだでほぼ全員藤原姓にも拘わらず、登場人物の見分けがキチンとついているところはキャラクターが立っているといえそう。オリキャラや名前の伝わっていない人物にもそれなりのドラマや設定があるからね。乙丸×百舌鳥とか。それと前々回ラスト~前回冒頭で、さわがまひろにキレるシーンも妙に説得力あったわ。さわの『石山寺参詣で自分は除け者にされた』という発言、道綱の夜這いがなければ『ちょっとムッとした』レベルで収まっていた事案なのは明らかで、要するに『何かがあったからムカついたのではなく、ムカついたから理由を遡って探して拡大解釈する』という一部界隈あるあるムーブのリアリティ。

そんなさわが今週、シレッと舞い戻ってきたのはチョイと驚いたけど、まさか、まひろの手紙を完コピ(物理)する推し活に手を染めていたのにはもっとビビッた。好きな漫画家の作品を模写するのに近いのかも知れんけど、まひろさん、若干ヒいとったぞ。これ、誰かの指示でまひろの身辺を探りに来た可能性もありそう。本命:夫の浮気を確信している倫子さん。対抗:まひろの男性関係を知りたい宣孝。大穴:まひろと一緒に文学の新世界を目指したいききょう。黒幕は誰だ?

 

次はこれ。

 

 

 

最早、劇場版のOPで流される『新一がコナンになった経緯』と同じレベルで説明不要な国民的漫画作品の劇場版第27弾。昨晩、NHKの『プロフェッショナル~仕事の流儀~』で原作者がラブコメとミステリーは相性が悪いと自嘲していましたが、今回の劇場版はそのラブコメとミステリーの二本柱の割に結構楽しめました。劇場版コナンはトリックやミステリーよりも舞台や建物をクライマックスでフッ飛ばす(場合によってはプロローグでフッ飛ぶ)ことが主眼に置かれる作風になりがちですが、今回の被害は車数台とセスナ1機程度に留まった模様。実に平和的な事件でしたね。ぶっちゃけ、五稜郭の形が変わるくらいのアクションを期待しないでもなかったけど、それは『いろはにほへと』で既にやっているので、それと被るのは避けたのかも知れません。

ラブコメ要素は最終的に告白ノーカンという結末が意外。『ハロウィンの花嫁』で高木刑事と佐藤美和子の接吻初披露(≠初体験)があったので、こちらも劇場版で進展あるかと思っていました。やはりスタングレネード……スタングレネードは全てを解決する! 事情もよく判らんくせに『コナンを援護するため』とかいいながら、敵味方識別機能のない武器を涼しい顔してヘリから大量にバラまく大岡紅葉さん、精神面は黒の組織のジンニキに近い……というか、最終的に目的を果たすところはジンニキよりも有能説、一理ある。尤も、ラブコメ関連で一番笑ったのは如何に墜落のダメージがあるとはいえ、平次とサシでやり合える犯人を当て身一撃で失神させて、寝袋でも担ぐような気軽さで背負ってそそくさと立ち去る蘭ネーCHANさん。ぐう有能にも程がある。逆にいうとこれほどのお膳立てをして貰いながら、紅葉の介入で告白をシクッてしまう平次さん、ツメが甘いにも程があり過ぎる。

ミステリー方面は犯人捜しよりも暗号解読がメインプロット。暗号解読自体がお宝の正体とのダブルミーニングになっていたのはベネ。当時は何よりも貴重なモノであったけど、現在では骨董品以上の価値を持たないタイプのお宝の正体はルパンTVSP『ナポレオンの辞書』のオチに近くて、これもベネ。ド派手な破壊アクションが控えめという点も含めて、劇場版というよりもTVシリーズの延長っぽい感じで手堅くまとまった佳作でした。ただ、謎解きは幕末~戦中~現在の繋がりが希薄で、終盤の解明パートに無理矢理詰め込んだ感が否めなかったかなぁ。身も蓋もないことをいうと土方が出る必然性が皆無なのよね。まぁ、それでも、全体としては中弛みもなく、序盤からEDロール後のネタばらしまで、たっぷりとアンコの詰まったタイ焼きのような作品。コロナで公開が一年ズレ込んで以降の3作品、いずれもクオリティの高さを維持しとるな。そーいや、EDロール後のネタばらしで思い出したけど、今回のゲスト声優の扱いは全シリーズで一番必然性が高かったのもよかったわ。何せ、最終的なオチが、

 

またしても何も知らない大泉洋

 

だったんやで? これが一番ツボった。

 

最後はこれ。

 

 

 

先週からBS12で月・火に二話ずつ放送され始めた華流ドラマ。以前見た『大明皇妃』ではトメクレポジの永楽帝が今回は主人公。『大明皇妃』も面白かったけれども、あれは孫皇后という具体的な業績が殆ど伝わっていない&その割に人間的にはややアレなところのあるのが確実な女性を主人公に据えた分、特に序盤に辻褄合わせの創作を詰め込み過ぎていて、ストーリーに無理が生じていたのも事実でした。その点、本作は永楽帝とかいうグウの音も出ない大人物を主人公に据えている分、奇を衒ったキャッチーな作劇はなく、若き永楽帝と北伐の情勢、そして、周囲にナイショで好物のガチョウを食う徐達という、一見すると微笑ましいけど、史実の展開を知る者にとっては地獄絵図の布石としか思えないシーンで幕が上がっていました。無理に劇的な要素をつけ加えるまでもなく、素材で勝負出来ると踏んでいるものと思われます。やはり華流ドラマはファンタジー系よりも史実ベースのほうが好きですね。ワイは外国の『大河ドラマ』が見たいのよ。

勿論、ドラマである以上、主人公夫婦の美化や創作による一定の肉づけは避けられないとはいえ、史実として伝わる徐皇后の賢妻っぷりを思えば、現時点の徐妙雲の描写は充分に許容範囲であり、何よりも主人公の永楽帝自体、

 

朱棣(前線で戦いたくって王宮を抜けて)来ちゃった……///」

徐達「成程、ところでお前が示した身分証は他人のものだな。デデーン、朱四郎(棣)、軍令違反でケツバットー!」

 

とか、

 

朱棣「事態の全体像が掴めるまで、徒に血を流す処置は避けるべきです!」

徐達「成程、お前の進言に従おう。それはそれとして、軍隊の上下の秩序を弁えない発言は処罰の対象だな。デデーン、朱四郎(棣)、軍令違反でケツバットー!」

 

とか、若き主人公の立場を無視した言動にはキチンと処罰が下るところが、バランス感覚が取れていると思う。たった2話で2度も40叩きを受けてしまう主人公ってなかなかいないよね。若き日に徐達から受けた肉刑の苦い記憶が、後年の永楽帝の粛清癖を形成してしまった説、一理ある? ない? ちなみにネタバレすると登場人物の半分は前半で粛清されます。残り半分も後半の戦でロクでもない目に遭います。何て救いのない筋書き。今は主人公と共にはしゃぎ回る十二弟も、その最期を知る身にとっては今をいい子に描けば描くほど切なくなってシンドイ。ともあれ、今年はいい意味でも悪い意味でも大河ドラマが従来の大河ドラマをしていない分、こちらで歴史劇の要素を補充出来ればいいなと思っています。