徒然名古屋日記 ~2023/11/05~(ガルパンネタバレ有・注意!) | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

事件は名古屋発特急『しなの21号』で起こった。

 

指定席で『破壊王とアントニオ猪木 「相克」の真相』を読みながら『小川VS橋本のセメントマッチ、周囲の証言は結構な割合で食い違っているのにドラゴンがコンニャク社長であったことに関しては本人も含めて全員の見解が一致しているのか』と一人さもありなんと頷いていた午後八時過ぎ。上井文彦氏の藤波は解雇と退団の区別がついていなかったという証言に『もう少し、こう何というか……手心というか……』と苦笑いを禁じ得なかった私を乗せた特急がヒュヒュヒュヒュヒュ~と緩やかに停車。一切の音沙汰がないまま、体感にして数分が経過した。元より静寂に包まれていた車内を、今までとは異なる沈黙が支配する。ケータイで調べた現在位置は姨捨山中。この山奥で〒口ということはあるまい……すわ、新たなる『きさらぎ駅』伝説の開幕かと不謹慎な興奮を覚えつつ、何時でも移動出来るように荷物を整えていると、

 

車内アナウンス「ガガ、ザザ、えー、当列車は只今シカと接触したため、車両の安全確認が取れるまで緊急停止しております。お客様にはご迷惑をお掛け致しますが、今暫くお待ち下さいますようお願い申しあげます。ピピ、ブッ」

 

 

数年前の新幹線での『お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?』に続いて、今回はシカによる緊急停車。勿論、人生初の出来事でした。30分ほどで運航再開となりましたが、予定していた乗り継ぎには間に合わず、最終の新幹線で帰宅となりました。でも、翌日に熊と衝突した列車は安全確認が取れずに7時間立ち往生を強いられたというニュースもありましたので、シカでよかったと思います。

 

そんなワケで先週の土日に装鉄城さん主催の犬山城ツアーで名古屋に行って参りました。装鉄城さん、皆さん、当日は本当にお世話になりました。ツアーの詳細は、

 

 

 

 

をご覧頂くとして、こちらでは私視点の土日の動向を振り返ります。

あ、その前に今週の『どうする家康』の寸感。沼田での昌幸と稲姫のやり取り、伏見城落城、TERUのドス黒い『あとは任せろ』発言、秀忠軍の進撃を阻んだ治部の計略など、随所ではいいセン行っていました。特に沼田での昌幸と稲姫のアレは凄くよかった。個人的には『真田丸』のソレを越えていたと思う。しかし、肝心の小山会議や家康の動向が貧弱。確かに手紙のやり取りは謀略の一形態ですが、その手紙によって如何なる反応が返ってきて、その反応に対する主人公の更なるリアクションを描いて欲しかった。あれは手紙劇であって謀略劇ではなかった。あと、真田を用いて徳川の主力を排したにも拘わらず、更に『もっと大きな蜘蛛の巣で家康を絡め取る』と欲をブッこいて来週アレしてしまう三成は素で充分面白くなっているのに余計な手を加えて全体の構成を台なしにしてしまう本作スタッフに通じるものがあるように思います、思えない?

 

それでは時計の針を2023年10月28日に戻してみましょう。

 

行きは始発の北陸新幹線~特急しらさぎの乗り継ぎで名古屋へ。往路の御供は以前から読みたいと思っていた『2000年の桜庭和志』。ツアーの二か月前に文庫化された喜びも相俟ってか、夢中で読み耽ってしまい、気がついた時には関ケ原を通過してしまっていました……人生初の生『関ケ原』を拝むチャンスであったのに……いや、でも、桜庭VSホイスは日本、否、世界の格闘技史上永遠に刻まれる試合でしたよ。実際、帰宅してから改めてDVDで試合を見返したけど、めっちゃ面白いしさ。グレイシー旋風と桜庭の勝利をリアルタイムで体感出来たことは終生の自慢のタネになるやろうなぁ……こんな時くらいプロレスから離れて現地の歴史を予習しろと思わないでもありませんでしたが、犬山城については装鉄城さんが完璧に解説してくれると信じていたからネッ!(曇りなき眼

 

ツアー本編で最も印象に残ったのは、やはり犬山城の見学。古風で小ぶりながら堂々たる偉容と、峻険の地に巍然と立つポジショニングは襲来する外敵への堅固さを窺わせましたが、城の内部もなかなかの金城湯池っぷり。事前に『階段は急なので気をつけて下さい』と装鉄城さんからお聞きしていたものの、想像以上の傾斜の険しさに、松本城で階段を空踏みして膝を痛めたトラウマが甦ったのはナイショだ。更に最上階の一つ下の階では上で人が動くたびに『ミシッ……ミシミシッ……』と木材の軋む音が絶妙なスリルを掻き立てると共に、穂積さんが友人から仕入れた『最上階の廻縁は若干外方向に傾いている』という取れたてピチピチの情報も相俟って、これはちょっとしたディズニーのアトラクション施設を思わせるハラハラ感満載。ディズニーに行ったことはないけどね(竜巻のお銀感

それでも、遂に辿り着いた天守からの眺めは圧巻の一言。腰の高さに留まる手擦りのおかげで天守からの眺めを360度のパノラマで堪能する喜びよ。当日の天守は結構な風が吹いていたものの、それすらもスリルとして楽しむことが出来ました。感覚的には城巡りよりも登山に近かったかも知れません。『登頂』した時の達成感が半端なかった。

 

 

翌日は夕方の電車の時刻までフリータイム。折角、大都市に出たのでウチの地元では上映されていないガルパン最終章を見に行く予定でしたが、前日のツアーで『名古屋初めてですか? だったら、名古屋城にも行って下さい!』と勧められて結構迷いました。確かにガルパンはそろそろJE市にも回ってくる頃合いだろう……それを見逃してもいつかは確実に円盤化される……私自身、次に名古屋を訪れる機会がいつになるか判らん……よし、決めた!

 

ガルパン見に行きました。

 

すみません、すみません。でも、もう俺はガルパンのネタバレポストにビクつきながら生きていくのは耐えられなかったんだよ! 装鉄城さんも前日に『絶対に劇場で見たほうがいいですって!』って力説して下さったし! まぁ、早起きして午前中に名古屋城~午後からガルパンという方法もあったと思いますが、前日は3時間しか寝とらんうえ、当日夜も犬山ツアーの興奮が冷めずに明け方まで一睡も出来なかったので、午後にならないと身体がいうことを聞かなかったんだよ! そんなワケで漸く鑑賞出来たガルパン最終章第4章。ここからは軽いネタバレになるので、未見の方はササッとスクロールして頂くのがお互いのためです。

 

装鉄城さんをはじめ、視聴済みの方々が『劇場で見て!』と強く勧めてこられたのが納得の出来栄え。戦闘シーンに関しては最初の劇場版を越えたんじゃないかってレベルのド迫力でした。私も『これは絶対に劇場で見て!』と言っておきましょう。

ただ、今回は戦闘シーンに全力を注ぐと最初から決めていたのか、キャラクターやストーリー方面の掘り下げは浅め。特に西住殿亡き後(死んでません)に誰が率いるかという、今後の大洗の戦車道を見据えた主題は不完全燃焼かなぁ。一応、西住殿に何かあったら生徒会チームが指揮を引き継ぐという取り決めがあり、その後の軍配は合議制であずにゃんが預かる流れは判ったけれども、もう一押し二押しくらいは西住殿亡き後(死んでません)の大洗が混迷を極めて右往左往する姿が見たかったのよね。そういうタメがあってこそ、あずにゃん覚醒というカタルシスも際立ったんじゃあないかな。西住殿も自分が戦闘不能になったあとに味方を深刻に心配する様子がなかったのも、ちょっと引っ掛かった。あずにゃんという期待の新人が頭角を現すシーンがあったとはいえ、現エース亡き後(クドイようですが死んでません)の後継体制の点では黒森峰に軍配があがったかな。エリカの奴、まほ姉不在の軍を率いて、西住キラーのダー様&島田愛里寿という大正義補強を敢行した聖グロ相手に二秒の僅差敗北とか、

 

横浜FM相手にPK戦まで縺れ込んだ市立船橋

 

並みの大善戦……というか、もう実質的な勝利やろ。まほ・みほの姉妹タッグは最初の劇場版でやったから、今度は決勝戦でエリカが大洗の助っ人に来る可能性あるで。島田愛里寿を引き入れた時点で聖グロは相手がどんな補強をしようと受けて立つしかないワケで、決勝戦はかなりパワーバランスが難しい設定になりそうです。そんな感じで点数をつけるとしたら、

 

200点満点中100点

 

という『いだてん』の『明日なき暴走』と同じスコアかな。戦闘シーンだけで充分に元は取れたけど、欲しいモノが全て描かれたワケではなかったので。

 

 

そして、帰宅後は、

 

 

 

 

装鉄城さんからお借りした策謀編第三部を視聴。重ね重ねありがとうございます。いや、今回はよかったよ! ほら、前回は、

 

史上最大の単座式戦闘艇によるカミカゼアタック

 

とかオリジナリティを出したい意欲は買うけどそっちじゃないという『どうする家康』でもありがちなアレな展開のせいで、イマイチ乗り切れなかったのですが、今回は概ね満足のいく内容。ヤンVSロイエンタール、シェーンコップVSロイエンタール、ユリアンVSケッセルリンク、ルビンスキーVSケッセルリンクと艦隊戦から一騎討ち、情報戦、父子の愛憎劇などなど撮れ高のあるシーンでお腹一杯。唯一、しっくりこなかったのはユリアン不在時のヤンのスランプ描写ですが、あれは原作でも具体的にどうこうある場面ではないので、アニメにしにくいのは判る。その辺、石黒版はヤンがユリアンの代わりにペットの猫を相手にロイエンタールやラインハルトの用兵を解説しながら愚痴を垂れるという、フレデリカが見ても『この人、頭おかしい……』とドン引きしかねない方法で表現したのは巧かった。まぁ、そのせいで原作外伝で描かれたヤン家にペットがいない理由と矛盾してしまっているのですが。

上記のように圧倒的な撮れ高を誇った本作で、それでも敢えて一番のシーンを挙げるとしたら接収したフェザーンの航路局に自由惑星同盟のデータを見に来るパツキンさんかな。あれは原作でも石黒版でもシンプルにスクリーンに映ったデータや映像を見るだけでしたが、ノイエ版では部屋一面に展開された航路図の3Dホログラフィーの中を、パツキンさんが一歩一歩足を運んで惑星ハイネセンまで辿り着くという、粋な演出がグーよグー。めっちゃ画的な魅力があったわ。でも、それよりもよかったのがパツキンさんが来た時の航路局の女性職員が、近い将来に至尊の冠を頂くであろう若き征服者の美貌を見てキャッキャッと華やぐシーン。思わず、フフッてなった。銀英伝てさぁ、原作があまりにも全方位に完成され過ぎていて、オリジナル要素をブッ込むのが難しいじゃん? 実際、上記したようにノイエ版でもオリジナル要素がダダ滑りすることは侭あるのに、このシーンは原作にないギャグを盛り込んで、しかも、私的にはバカ受けしてしまったのですから兜を脱ぐしかない。しかも、あれはシンプルなギャグというワケでもなく、曲がりなりにも……というか、堂々とフェザーンを占領した独裁者にも拘わらず、少なくとも表面的な反感を抱かれていない点で、帝国軍の占領政策が宜しきを得ていることを表しているのかも知れません。

次点はルビンスキーVSケッセルリンクかな。石黒版では作画動画がアレして妙な舞台劇みたいに画面の端から端まで使って大仰にブッ倒れていたけど、ノイエ版は銃撃を受けて全身の力が抜けて、前にフッと倒れて、思わず掴んだテーブルごと床に転がるというリアルな芝居になっていました。つーかさ、本作のスタッフ、ケッセルリンクに力を入れ過ぎじゃね? フレデリカ、シュナイダー、オフレッサー、ケッセルリンク辺りが露骨に作画動画に力入っている感がある。