徒然上京日記 ~2016年・夏~ | ~ Literacy Bar ~

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ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

今年の夏は上京の予定はなかったのですが、戦闘勇者さんから御紹介頂いた『大妖怪展』に興味をそそられて、仕事の合間を縫った日帰り弾丸プランで足を運んできました。往路復路共に新幹線。以前も書いたように自宅から東京まで二時間強で着くのは有り難い反面、妙な時差ボケを覚えてしまいまして、毎度複雑な心境になります。
往路では現地でお会いする予定の戦闘勇者さんにお借りしていた『江戸しぐさの正体』『戦前の少年犯罪』などにもう一度じっくりと目を通していました……が、停車駅でもないのに新幹線が急停止。『どういうことなの?』と不審に思っていたら、

アナウンス「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」

ドラマや漫画でよく見るけれども、実際は殆ど耳にすることのない台詞を生まれて初めてリアルで体験しました。幸い、一〇分ほどで運行が再開されましたが、東京駅で穂積さんと待ち合わせをしていたので、気が気でありませんでした。遅刻の理由が『お客様の中にお医者様はいらっしゃいますか?』なんて絶対に言い訳と思われそうじゃあないですか。幸い、予定時刻ギリギリに待ち合わせ場所に到着。上田以来の再会となった穂積さんは、アニメ版アル戦の姫殿下を思わせる涼し気でエキゾチックな装いでした。私? 勿論、前回と同じく普段着です。ごめんなさい。

東京駅で軽く食事をしたあと、キャラクターストリートで相棒の『特命係木札クッキー』を買ったり、プリキュアコーナーではハトプリグッズの少なさに泣きそうになったりしながら、時間を見計らって東京都江戸東京博物館へ。戦闘勇者さんからお聞きした乗り継ぎのメモが役に立ちました。本当にありがとうございました。尤も、戦闘勇者さんからは『大妖怪展は小一時間くらいで全部見ることができますよ』と伺っていたものの、当日はメチャ混雑していたこともあってか、我々二人は急ぎ足で二時間近くかかりました……正直舐めていました。サーセン。いや、本当に見どころ多かったよ! 私は学生時代に陰陽道や妖怪学に熱中した時期がありましたし、穂積さんは穂積さんで古文書解読の経験がおありなので、絵画と同じくらいに文書の内容にも熱い眼差しを注いでおられました。でも、一番印象に残ったのは『釣灯籠を持つ骸骨』を見た穂積さんの感想。

穂積さん「これってグラビアアイドルと同じポージングですよね?」

た、確かに! それも、専門誌ではなく、一昔前のヤンマガとかの巻頭カラーで見るタイプです。会場が盛況でよかった。そうでなければ、私の笑い声がケタタマシク響いたところでした。この骸骨は女性という設定を慮るに、人間の発想は今も昔も変わらないのかも知れません。

会場をあとにしてから、戦闘勇者さんと合流。三年前に初めてお引き合わせした時と同じように、顔をあわせると即、特撮系の話題で盛りあがっておられました。もう、ワシがいなくてもいいんじゃあないかな? しかも、お二人ともシン・ゴジラを見ておられないという奇跡のシンクロニシティが発生。居酒屋でも蒸篭蒸し用のダシ汁をお茶と思って飲んでしまった戦闘勇者さんに大ウケする穂積さんとか、このお二人のトークの相性のよさは異常。私なんぞ、途中で、

与力「あとは若いお二人に(お勘定も)任せて、私はドロンさせて頂きます」

といいそうになったほどです。

帰途の新幹線では戦闘勇者さんからお返し頂いた『女将軍伝』を久しぶりに熟読。いい! やっぱりいいよ、この作品! 私は無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら、中島敦の『李陵・山月記』(岩波文庫)か、この『女将軍伝』を選ぶかで迷っているのですが、後者への思いを強くしました。しかし、作品も題材となった秦良玉も、もっと認知度が高まって欲しいのですが、本作はアニメにも実写にも向かない感じですし……一番イケそうなのはラジオドラマですかね。各章の区切りもはっきりしていますし、作品自体も文庫本一冊分という長さですし。主人公の秦良玉は以前から榊原良子さんで脳内再生していましたが、夫の馬千乗は今回の読書では自然と井上和彦さんの声が浮かんできました。何度も読んでいるのに何故、今になって脳内再生余裕のキャスティングがポッと浮かんできたのか不思議でしたが、よく考えると『大妖怪展』の音声ガイドが井上さんでしたので、それが原因でしょう。つまり、妖怪のせいなのね、そうなのね。


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