『江~姫たちの戦国~』第38話『最強の乳母』感想(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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『最強の乳母』とか……大河ドラマというよりも宮下あきらのバトル漫画を思わせるサブタイトルですよね。最強決定戦とかしたきゃ、今日から始まった『塚原卜伝』でやれ。これまでも『恋しくて』とか『愛しき人よ』とか、どう考えても大河ドラマにそぐわないサブタイトルが目白押しでした。この脚本家は作風だけでなく、サブタイトルのセンスもズレています。しかも、今回は単語の組みあわせも変。『最強』と『乳母』。意味が判らない。『恐るべき』とか『鬼のような』という意図かも知れませんが、それにしても『最強』はおかしいよね。そんな物騒なサブタイトルでは、


~ Literacy Bar ~-女の中の女


こんなのが出てこなければおかしいレベル。サブタイトルに『最強』という言葉を掲げたからには、少なくとも『独眼竜政宗』の喜多のように、敵対勢力の侍女をぶった斬るくらいのことをしないといけないと思いますが、果たして、どうなることでしょうか。


『GO~非女たちのせん☆ごく~』残り8話『最強(笑)の乳母』


冒頭から出産場面。

萎える。いや、女性の出産は尊く、凄まじいものだと承知しているが、毎回毎回踏ん張られると傷食気味。ここ一番という場面に絞り込んでくれると見ているほうも感情移入しやすいと思うんだ。

男児誕生を祈願する大姥局の傍らで寝転びながら、ペラペラと冊子を読むゲゲゲ。チラチラと様子を覗う風だから、本心は気になっているという演出のつもりだと思うが、いちいち、表現が軽い。読んでいるのが週刊少年ジャンプでも違和感がない。


大姥局「もし、此度、男児を授からねば、私、お暇を頂戴致しまする……いえ、自害致しまする」


大姥局までも死ぬ死ぬ詐欺をやらかす。もう、脚本家は描いている自分でも誰がどんなキャラなのか判らなくなっているんじゃないのか。そこに若君出産の知らせが届く。報告する宮地さんがもの凄いドヤ顔であったが、これまでの四連続姫君というタメがあったから、まぁ、これくらいは許容範囲。


春日局登場。


大姥局「福と申すものにて、お世継ぎに乳母(めのと)に相応しきものをと、大殿さま御自らがお選びになりましてございます」

ゲゲゲ「親父は何故、あの者を乳母にと?」

大姥局「福が何事にも優れた女子であるということ。また、大殿さまが福の夫に恩を受けられたとか。稲葉正成さまといい、元小早川秀秋さまの御家老で」

ゲゲゲ「あの小早川どのか……関ヶ原で我が方に寝返った」

大姥局「その画策をしたのが、他ならぬ福の夫であったと伺っております」


そんな場面、露ほども放送されなかったけどな。武士を辞めて百姓になるとかならないとか、馬鹿馬鹿しい戯言をやっている暇があったら、金吾の裏切りの場面だけでも放送しとけよ。それをしないから、こんな風な説明台詞に頼ることになるんだよ。

春日局役の富田靖子さんはいい感じ。不気味な美人という雰囲気が出ていた。しかし、この人も大姥局みたいにGOとグダグダに和解することになるのかなぁ。そんな筋書きには絶対にしないで欲しい。


全国に駆け巡るホモm……じゃない、家光誕生の知らせ。

マルモがちゃんと姫さまの演技をしている。歩き方もいいし、一度、部屋を出ていこうとして、きちんとCHA-CHAに挨拶しに戻るのも素晴らしい。何故、これが主人公でできないのか。

家光誕生に一抹の不安を覚えるCHA-CHA。ゲゲゲとGOの間に男児が生まれたことで狸が心変わりしないかどうか気になるらしい。全く関係ないと思う。将軍家継承の件はゲゲゲがいれば問題ないし、いざという時には結城秀康にも男児がいるし、徳川家の存続には別儀ないんじゃないかな。単なる歴史逆算描写としても失格。しかし、そんなCHA-CHAの妄想じみた不安通りに歴史が進むのがこの作品である。家光誕生で俄然、やる気を漲らせる狸。


GOとお福の初対決。

お福が自らの出自や稲葉正成と離縁したことなどを説明台詞で話してくれる。しかし、富田さんの演技のおかげで然程、不自然に見えない。回想場面の中で真木博士斉藤利三が登場。懐かしい……が、その時の感想でも書いたように、何故、あの時に春日局登場の伏線を張っておかなかったのかが悔やまれる。


ゲゲゲ「離縁してまで竹千代の乳母にな……たいした覚悟じゃ」

GO「私はあの者が何となく好きになれませぬ……折角、生んだ男児なのにロクに抱くこともできないなんて」

ゲゲゲ「ヤキモチか?」

GO「違います。ただ……あの者から乳をやられるのが辛いのです」

ゲゲゲ「乳をやるためにおるのだろうが」


ゲゲゲが久しぶりに正しいことをいった。多分、二回目。少ないな。そして、相変わらず、何となくというフィーリングでしか物事を語れない主人公。

それからも、家光の面倒が見れないとグチャグチャと文句をいうGO。子供が生まれるたびにネグレクト宣言をブチあげていた女が何故、今回は手ずからの育児に執着するのか。だいたい、先週の放送で生んだばかりの女子を一度も抱くことなく、ハッチにくれてやったのは誰だよ。自分は男児を生む道具ではないとかいっていたくせに、局、おまえも男児が可愛いんじゃないのか? そもそも、おまえだって、御市に手ずから育てられたわけじゃないぞ。おまえのうしろに控えている宮地雅子は何なんだ? 乳母じゃないのか? おまえも乳母に育てられたんだよ。いい加減、その程度のことを弁えたらどうだ。


そのことを大姥局に愚痴るGO。しかし、



~ Literacy Bar ~-デビル①


と叱られる。いい気味。すると、今度は狸に手紙でお福を解任してくれと頼む。解任の論拠? そんなものはない。全てはフィーリングである。



~ Literacy Bar ~-デビル②


豊国祭が催される。オッチョの御馬揃えよりも豪華に見えるのは気のせいだと信じたい。規模やら参加者やらの様子を亀子&OHNO&片桐且元が全て説明台詞でCHA-CHAと視聴者に説明してくれる。親切だなぁ(棒)


狸が江戸に帰還する。家光出産を褒める狸。


「GO、ようやったな!」

GO「……はい……あの、義父上さま、文は?」


まずはありがとうございますじゃねぇのか!

義父とはいえ、天下の征夷大将軍からのお褒めの言葉だぞ。何、当然といった風に聞き流してるんだよ。よくよく考えたら、コイツの口から誰かに対して『ありがとう』『ごめんなさい』といった言葉が出てきた記憶が殆どない。どこまでも傲慢な女。上記のチクリの手紙の件は二言三言で狸にいいようにあしらわれてお終い。何だ、この場面。


狸がゲゲゲに征夷大将軍を譲るという。テメーは天下を狙ってやがるなとGOがキレる。狸は『いい加減、徳川の嫁になれ』とGOを諭すが、こんな女を息子のヒネた性格を矯正するために嫁に連れてきたのは狸本人である。しかも、当のゲゲゲは将軍職を継ぐことを辞退。強要されるくらいなら、徳川家の嫡男も辞退するといい出す。すっかり、GOのアホっぷりが伝染したらしい。


二代目将軍になるかならないかを考えるため、GOと一緒に熱海の湯に浸かりにゆくゲゲゲ。その発想が想定外。熟年夫婦の休日温泉パックのノリとしか思えない。狸は狸でサドを相手に、ゲゲゲの中に『何か』があるとかないとか、それをひき出すためにGOを嫁に迎えたとかうわ言のような会話をする。理解不能。誰か、至急、脚本家を海外から連れ戻して本放送の画面の隅で登場人物の言葉を通訳するように段取りしてくれ。

熱海の湯に浸かりながら、太平の世がどうたらこうたらと上っ面だけの話をする。GOがCHA-CHAは馬鹿だし、狸は信用できないから、ゲゲゲが天下を治めて太平の世を築けとかいう。太平の世とは便利な言葉だぜ。この一言でGOが姉の家でマルモが嫁いだ筈のTOYOTOMIを敵に回すことも全部正当化されるときたもんだ。随分、安っぽい言葉になり下がったな。


五分前の前言をアッサリと翻して将軍就任を承服するゲゲゲ。流石に訝しる狸。


(征夷大将軍も嫡男も)継がぬというたに、何故じゃ?」

ゲゲゲ「…………」

GO「天下を太平にするためです」(キリッ)


何、横から口を挟んでいるんだよ? そもそも、何でおまえが此処にいるんだよ? このあと、GOとゲゲゲによるキャッキャウフフなしょうもない会話が続く。ここも何の中身もない場面なので感想の書きようがない。私は魔術師じゃないから、無から有を生み出すことはできない。己の無力さを痛感する。


ゲゲゲの将軍就任に怒り狂うCHA-CHA。


CHA-CHA「GOは何をしておったのじゃ!」


ごめん、私が説明してあげたいけれども、GOとゲゲゲの言動には何の脈絡も一貫性も説得力もなかったから、ムリ。でも、このあたりのりえりえはよかったです。ようやく、淀殿らしくなってきた。そうゆうても、@8回しかないけどな。


ラストにお福再登場。家光に会わせんか、ゴラァというGOに、


お福「私はTOYOTOMIを怨んでおります。わが父を磔にした秀吉と、それに連なる者を許すことは断じてありません。それがゆえ、竹千代さまの乳母となりました。狸さまがいずれ、TOYOTOMIを滅ぼすことを固く信じていたがゆえ。そういえば、御方さまも我が父の仇、秀吉のご養女だったのですね」


最期の最期でベッチャクッチャと説明台詞。流石の富田さんでもカバーできなかったくらいひどい。こーゆーことは挙措や態度やちょっとした台詞の端々で徐々に匂わせていくものだろーがよ。何、この突然の宣戦布告。TOYOTOMI家は一応、ゲゲゲの娘の嫁ぎ先であるし、その女房の姉の家なんだし、形式上は徳川家の主家なんだから、流石にここまで本音をブチ撒けたら解雇、ヘタすりゃ斬首じゃねーのか? それとも、


~ Literacy Bar ~-オウンゴール


で通せるとでも思っているのかな。


今回もどこがどう『最強の乳母』なのか、サッパリ判らない話でした。相変わらずのサブタイトル詐欺。ここまでくると、怒る気力もなくなってくる。私に人間らしい純粋な感受性を返して貰いたい。以上。


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