小説 幕末新選組 池波 正太郎 | てんつぶ

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新選組モノでも本書は剣豪・永倉新八が主役。 

 

松前藩江戸定府取次役の子として産まれるが、剣の道一筋に明け暮れ、跡を継がそうとする父に嫌気を差しとうとう出奔してしまう。 

永倉は近藤勇の道場・天然理心流「試衛館」に出入りするようになり、その門人らと将軍上洛警護のために設立された浪士組に参加する。 

  

江戸に戻る浪士組と袂を分かった試衛館派は新撰組として京に残り、京都守護職の会津藩主・松平容保庇護の下、京にはびこる不逞浪士の取り締まりと市中警備を任される。 

  

長州藩・土佐藩などの尊王攘夷派志士の集まりを襲撃した池田屋事件の活躍で名を挙げた新選組は200名を超える大所帯となり、遂には幕臣に取り立てられる。 

多くの恩賞を受け、肩で風切り京の町を闊歩し、好きな女も囲い、正に絶頂であった。

だが、やがて潮目は変わる。 

徳川家茂、孝明天皇が立て続けに亡くなったのだ。 

 

伏見鳥羽、甲府、会津、長岡、函館。 

遂に終焉を迎えた旧幕府軍。 

生き残った永倉は松前藩で晩年を過ごす。 

 

☆彡

気っ風の良い江戸っ子の永倉新八が清々しい。 

市川宇八郎、藤堂平助、原田左之助らとの交友も爽やか。  

読後感が良かった。