「倒錯の死角」、「倒錯のロンド」に続く倒錯三部作の完結編。
袋とじの解決篇?を挟んだ<首吊り島>と<監禁者>の二部構成。
『この袋とじは<首吊り島><監禁者>を読了した後に封を切り、お読みください。どちらを先に読んでもかまいません。』
<監禁者>は天地逆さまで収載。
前から読んでも後ろから読んでも楽しめる⁈
<首吊り島>
執筆監禁から逃れて訪れた新潟の離れ小島・首吊り島。
推理作家先生と持ち上げられ滞在する新見家で密室殺人が続く。
多くの関係者が見守る密室の浮島堂で長女・雪代が殺され、その事件検証中に三女・花代も殺されたのだ。
次に狙われるはずの次女・月代を助ける一心でとうとう密室殺人の謎を解明する。
月代から愛の逃避行に誘われた私は幸せの絶頂であった。
<監禁者>
安アパートで引きこもり、構想に苦悩する推理作家の私は突然、ある女に監禁され密室殺人の執筆を強要される。
過酷な拷問・監禁の中、わたしは「首吊り島」を書き続け、遂にエピローグを迎えようとしていた。
どんな素晴らしいエンディングにしようか。。。
新見月代という女による監禁を知った同アパートの女性に助けられ、彼女の故郷である首吊り島へ向かった。
<倒錯の帰結:袋とじ>
二つの小説を編集部に送りつけてきた作家志望の山本安雄。
編集者の藤井は山本のアパートを訪ねる。
そして留守の部屋で首吊り島のエピローグを見つける。
<ネタバレ>
新見月代のアナグラム、新津きよみを知らなければオチは???