小説 烏鷺―密命・飛鳥山黒白〈巻之十六〉  佐伯泰英 | てんつぶ

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密命シリーズ16。

 

惣三郎と結衣は大和柳生での一年近くの滞在から江戸への帰路に就いた。

途中、無頼の輩に襲われる若侍4人組を助け、江戸まで同行することになる。

彼らは駿府での不正調査を終えて帰る幕府御定番目付・跡部弦太郎の一行で、襲撃は調査結果を記した書付を狙ってのものであった。

六郷の渡しでも舟中襲撃されるが同舟の渡世人・今市の円蔵の機転で惣三郎たちは危機を回避する。

 

無事に戻った惣三郎と結衣。

周りからの勧めもあり、旅の疲れを癒しに一家で飛鳥山の菊屋敷で過ごすことにする。

だがのんびりする間もなく、近辺で手練れの武士が反撃も出来ずに殺害されるという事件が立て続けに起こる。

ある日、過日のお礼にと跡部弦太郎の遣いで帰路も一緒だった久坂が菊屋敷を訪ねてきた。

が、その帰り例の辻斬りに殺害される。

怒りの惣三郎は囲碁さながらの駆け引きで犯人を炙り出す。

父妹と別れた清之助も大和柳生を立ち、回国修行へ戻ることに。

向かうは京を経て鯖街道を若狭へ、柳生から付けて来る影を意識しながら。

 

☆彡

新登場の跡部弦太郎と今市の円蔵も中々魅力的。

鍾馗の昇平とみわの婚儀もいよいよ。

旅の清之助を想う葉月だけが少し気の毒。